ロンバケを視聴した
1996年に放送されたドラマ「ロングバケーション」をNetflix で視聴した。視聴率30%超えの超人気ドラマだったそうだが、全く知らなかった。月曜日の21時から放送されたそうだが、当時はその時間帯に自宅アパートにいることは稀だった。以下はその感想だ。 1)留守番電話、チビT、室内喫煙、夜道を恐れない中学生(広末涼子)、自転車に二人乗り、デジタルでないカメラ、液晶でないモニター、に時代を感じた。 2)木村拓哉は常識的なことしか言わない二枚目の役柄、山口智子は婚期を逃した三枚目の役柄、演技の難易度は圧倒的に後者が高い。木村拓哉はハンサムだから普通にやっているだけで好感度が上がる。ピアニストに見えない弾き方でも「アイドルだから忙しいんだろ」で許される。山口智子は打たれ強いサバサバした元モデルを演じ、尚且つ7歳年下の木村拓哉とお似合いのカップルになるという説得力が求められる。この難しい役柄は山口智子という、長身でスタイルも良く愛嬌のある童顔で、コミカルな演技ができる女優だからこそ成し得たものと思う。晩婚化への過渡期である当時には彼女のような境遇の女性が多かったのだろう。そんな女性たちに支持され、共感されたことが高視聴率の一因だと思う。 3)南(山口智子)は自身の結婚式当日に新郎からドタキャンされる。誕生日の午前0時に電話がかかってくる思い出を引きずるほど親密だった新郎は最後まで登場しなかった。その気になれば、詐欺罪の被害を警察に訴え居所を突き止めることもできたはずだ。その未練を清算してこそ次の恋に移れると思うのだが、ドラマではその伏線は回収されなかった。ドタキャンはファンタジーとしておくのも構わないが、視聴者を唸らせるような結末が見れなかったのは残念だった。 4)南が杉崎に告白されたとき、「先輩でお姉さんでいることに疲れた」みたいなことを言ったが、なぜか南に感情移入して、その演技に感動してしまった。杉崎が最後まで南に誠実な態度を崩さない脚本も良かった。 5)あれだけ練習もせずに「誰かのためにピアノを弾く」と意識を変えるだけで優秀賞を受賞できるのは瀬名(木村拓哉)の才能によるものだろう。もちろん皮肉だが、才能の片鱗を見せる場面を挿入するなどの説得力が欲しかった。「あれでボストンフィルに入団できるのか?」と憤る音大生は少なくないと想像する。