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真の強者

 昨日の午後、物理療法士のJSYさんが来られた。JSYさんはスマホの翻訳アプリを使って、日本語で挨拶してくれた。妻が「釜山大学で20年教えていたから韓国語で話しても理解できる」と伝えると、JSYさんは施術をしながら俺に質問を投じるようになった。 今回はパソコンに繋がれたままの施術だ。俺も懸命に答えようとするのだが、文字を入力している間に次の話題に移ることが多発して会話が噛み合わない。せっかくの会話の機会なのに即答できないのは辛い。俺は「気持ちいい」と「痛い」を準備して、施術に関する話題には即答できるようにした。そこに通話を終えた妻が会話に合流した。俺は「気持ちいい」を会話の脈絡関係なしに連発して笑いを取りに行ったのだが、空振りに終わった。 施術終了後、JSYさんは妻とケーキを食べながら女子会をして帰宅した。ちなみにそのケーキは長男の手作りだ。前々回の訪問で俺は「妻と長男のコミュニケーション能力に驚いた」と書いたが、 https://hirasakajuku.blogspot.com/2026/03/blog-post_13.html 真のコミュニケーションの強者はJSYではなかろうかと思った。

粗大ゴミ仮説

 昨日の午後、物理療法士のJSYさんが来られた。前回の訪問の様子は以下の通り。 https://hirasakajuku.blogspot.com/2026/03/blog-post_13.html 今回は妻が応対し、JSYさんはマスクを外して施術してくれた。その女性二人の四方山話が尽きることがないのは相変わらずだ。最初はパソコンに繋がっていて簡単な挨拶もできる状態だったのだが、施術の邪魔になると妻が判断して俺はパソコンから切り離されることになった。 俺は施術に身を委ね、筋肉や靱帯が伸ばされる快感に浸っていた。「足裏マッサージは全身に効能が伝播する感じだ」とか「リンパ腺マッサージは気持ちいい」と思っていると、二人の会話は「どうやって出会ったのですか?」の一言をきっかけに俺と妻の馴れ初めに推移していった。こういうときの妻はオープンで、俺が何も言えないのをいいことに「三歳児水準の受け答えが可愛いかった」とか「耳が変形していて、足の爪が黒く変色しているのを見てギョッとした」などの率直な心情を語るのが定番だ。百歩譲ってそれはいいのだが、「こっちの馴れ初めを明かしたのだから相手の恋バナを尋ねるのが礼儀ではなかろうか?」と思った。 施術も終わりに近づき、妻の話は長男の出産に及んだ。そのときに「それまで優しいふりをしていたけど、出産後は本性を隠さなくなった」の衝撃の一言が妻の口から飛び出した。思い返せば、妻の態度が出産を機に一変して、「子供が産まれた瞬間、夫の立場は粗大ゴミ以下になる」という仮説を打ち立てたのだ。 妻の一言によって我が家ではその仮説が真である公算が高くなった。次回は何が解明されるやら。 訂正とお詫び)ある方面から「粗大ゴミという表現は実像とかけ離れている」という指摘があった。確かに、いるだけで邪魔な粗大ゴミのような扱いをされたことは一度もなかった。「粗大ゴミ」は優先順位が下がった悲哀を表現するために用いたが、それは適切ではない過剰な勇み足だった。そのことを強調すると共にお詫び申し上げる。

長い夜

 昨晩は胃もたれで眠れなかった。周囲が熟睡している中、自分だけストレスを抱えた状態で眠れないでいるのは辛い。誰かを起こしても対処の方法がないので、いびきの回数を数えながら夜明けを待つことになる。胃もたれが解消しないと眠れない。四肢が動かない俺は気分転換ができない。想像や追憶のみで時が過ぎるのを待つしかない。「台湾での生活は楽しかった」という追憶はこれまでに何十回も使用してきた。まだまだ思い出すことは沢山あるはずなのに、胃もたれのためだろうか瑞々しい発想が浮かんでこない。目を閉じても眠気は訪れない。傍らで睡眠中の妻は就寝時から3時間は俺の歯ぎしりに反応しない。それでも歯ぎしりを二回、三回、五回、七回、やってみる。妻の様子に変化はない。「ぐっすり眠れることは健康に良い。鋭敏で一度起きたら眠れない体質だったら、簡単な用事で起こすことは憚られただろう」と考え、妻の快眠を福音と捉えた。「なんかやけに体が熱い。今、何時だろうか?」と思い、アヒルを鳴らすと次男がやって来た。布団を剥がしてもらい、「目をふいて」などの用事を頼んだ後に布団をかけてもらった。時刻は午前3時、妻はすやすやと寝ている。それから胃もたれに耐えながら、妻が寝返りを打つたびに歯ぎしりをして妻の自然な目覚めを待ち続けた。その時が訪れたのは午前5時15分、妻は俺に水分を補給して、再び深い眠りについた。胃もたれはやや軽くなったが、まだ完全に解消したわけではない。しばらくすると窓が白み始めた。午前6時半のアラームが鳴った。妻はアラームを消して眠りについた。妻は平日の平均睡眠時間6時間の生活をしている。週末に寝貯めをすることで収支を合わせている。午前7時のアラームが鳴ったが、俺の歯ぎしりは鳴らなかった。それから一時間が経ってから、妻を起こした。とうとう夜の間中、眠れなかった。ようやく胃もたれが収まり、テレビをつけてもらい、それを子守歌代わりにして眠ることができた。 追伸)昨日、CJS教授が見舞いに来てくれた。ありがたいことである。

解散宣言

 JIM教授から妻へ電話がかかってきた。そういう場合、妻はスピーカー機能をオンにして通話内容を聞こえるようにしてくれる。JIM教授は釜山大学教授蹴球会の創立者であり、長年に渡って会長としてチームをまとめてきた。俺も含めて自己主張の強い個性派揃いの会員たちを御していくには「全てを包み込む皮袋」に徹することもできる人格のJIM教授が適任だった。 「教授蹴球会の中核メンバーが定年退職してしまって、これを機に解散することにしたよ。平坂教授に伝えなきゃと思い電話したんだ」という内容が妻のスマホから聞こえた。俺が蹴球会に参加できなくなって丸7年になる。その当時も最年少メンバーだったし、新しいメンバーが入って来ないという高齢化問題を抱えていた。「ついに来るべき時が来た」というのが感じで受け止めていた。 金曜日の15時に陸上競技場に行くのが楽しみで、全力で走り全力でプレイして終了時間の17時には疲労困憊になって研究室に戻るのが心地よかった。ゴールを決めたチームメイトに駆け寄ってハイタッチの後胸を合わせて祝福するのが俺の流儀だったし、そうやってサッカーの持つ一体感を味わっていた。遠征試合前日の飲み会も出陣式みたいな雰囲気で楽しかったし、試合終了後にサウナで汗を流し別会場に移動しての飲み会も楽しかった。何も喋らなくても居場所があるような気がした。 釜山大学教授蹴球会で過ごした時間は俺の青春だったし、それと似たようなことを俺以外のメンバーも感じていると思う。そんな時間を共有していたメンバー全員に感謝を伝えたい。

復活祭の朝

 起床してテレビを見始めた30分後、妻が「今日は復活祭だから聖書を読もう」と言ってテレビを消した。「五分後に「日曜討論」が始まるのになあ。せめて断りを入れてから消してほしかった。反論もできない俺に己の無力さを自覚させるムゴい仕打ちだ」と思ったが、「どうしても見たい番組でもないし、毎日の介護で苦労をかけていることに比べたらなんでもないことだ。そして聖書を朗読してもらうのは嫌いではない」と思い直し、妻に従うことにした。 マタイの福音書のキリストが処刑される前日からの部分が朗読された。日本語の聖書の朗読で、合間に水分補給や痰吸引が入るので、朗読は一時間経っても終わらなかった。俺が歯ぎしりをして一時中断して「そろそろ三男に教会に行く準備をさせなきゃ」みたいな内容を文字盤で伝えると、妻は気分を害したようで「一体いつになったらあなたに信仰が授かるのか」と嘆かれた。 妻の信仰は筋金入りだ。その水準を俺に要求されても「ぐぬぬ」としか言えない。こんなこと書いたら妻の更なる怒りを買うかもしれないが、俺の信仰は薄っぺらで円満な夫婦関係のためだけのものだ。そうは言っても、四半世紀に渡る教会での体験からの影響は無視できない。信仰に殉ずる人々の心の純粋さ、牧師先生の無償の愛に触れたこと、聖書をノートに書き写していた義母、悩みを共有し祈祷したこと、日韓と台湾で出会った人としてのスケールが大きい人々、いずれも感銘を受けたし、薄っぺらな俺を教会に向かわせた。 それだけでも物凄い進歩だと思うのだが、肝心の妻は認めてくれないんだろうなあ。

お花見外出

 今日は天気が良く気温も高い。そんな理由で妻は俺を外出させようとする。俺は寝ているだけで外出するための準備は全部妻子がやってくれるのだから拒む理由がどこにあろうか?と妻は思っているかもしれないが、子供たちの時間を奪うことになるのと苦労対満足度が割りに合わないことが俺に二の足を踏ませる。 結局、「友達と卓球しに出掛ける」という次男が妻に引き止められ、さんざん待たされた挙句、車椅子への移乗を手伝った後に自室に戻った次男は「力仕事が終わっても準備は山ほどあるのに全く気が利かない。お父さんにそっくりだ」と妻からの小言を浴び、出発直前に吸引を訴えた俺のせいで外に出た時刻は3時半だった。 俺の外出に同伴するのは妻と次男と三男だ。いつものように区役所広場で日光浴をした。そのときに次男を労おうと思い文字盤で「一番助けてくれるのに一番怒られる」と伝えた。一時間前の小言がなかったかのように陽気になるのが妻の良いところだ。「一番は私に決まっているでしょう」と言い返した後、昔話に花を咲かせ、喰い付いてくる次男と三男を向こうに俺を出汁にした漫談と説教を展開していた。 いつものコースで帰宅した。前回の外出との違いは川沿いの並木桜が五分咲きだったこととマンション敷地内に植えられた木蓮の白と椿の赤との対比が鮮烈だったことだ。無理矢理に引きずり出してくれた妻、自分の時間を放棄して付き合ってくれた次男、重い荷物を持ってくれた三男に感謝を伝えたい。

自転車に乗りたい

 三男の同級生の間で自転車が流行している。いや、正確に言うと、一年以上前から流行していて、三男は事あるごとに「自転車を買って」と妻に懇願してきた。「電子機器で遊ぶよりはるかに健全だ。買ってやればいいのに」と思っていたが、妻は「安全面で問題がある」と言って、三男の要求を時には「公道では乗らないと約束するなら買ってあげる」と言ってはぐらかし続けて一年が過ぎた。話を聞いていると、流行している自転車というのは移動用ではなく競技用で、新品で150万ウォンもする高価なものであることがわかった。三男の同級生たちは競い合うように高価な自転車を購入し、車が来ない河川敷の自転車専用道やマンションの敷地内の広場で腕を磨く、というよりは、愛車を自慢すると共に維持管理のための情報交換を行うらしい。自転車がない三男は友達の自転車に乗せてもらったりして集会に参加していた。 俺も男だから、虚栄心の発露の場での三男の気持ちがよくわかる。振り返ると、俺の少年時代にも子供用の変速ギアがついた自転車がブームになり、五段変速ギアの自転車に憧れ、暴走族の集会のように集団で校区外に遠征していた。その後、釣りブームが起きて、釣れもしないのに「餌はゴカイ、重りは8号、浮きは棒型、釣り場は白道」みたいな情報収集に時間と情熱を注いでいた。しかし、ブームが過ぎると、きれいさっぱり忘れて見向きもしなくなることも知っている。「三男が中学生になる頃にはほとぼりも冷めるだろう」と予想していた。 三男は今年の3月から中学生になった。ある日、「友達が30万ウォンで譲ってくれると言っている。お金は自分で出すから、そうしてもいい?」と三男が妻に言った。妻は一度は了承したものの、その翌日、「友達と取引をするもんじゃない」と前言を翻した。喜ばせてがっかりさせるのは妻の得意技だ。「さすがに可哀想だろう」と思っていたら、妻もそう思っていたのか、取引を認める方向で話が進んでいた。ところが、三男が事前に説明していた自転車と取引する自転車の車種が異なることが発覚した。妻が「ブレーキがない自転車は駄目だ」と明言していたので致し方ないところだ。取引は中止になった。 それから紆余曲折を経て、ネットの中古品市場で60万ウォンの自転車が目にとまり、長男が同行して取引成立となった。三男は毎日のように自転車を持って外出している。この一ヶ月で三男が取引と信用...

出会いと別れ

 下記の記事で紹介したKGSから「二泊三日で釜山に家族旅行をする予定だ」というメッセージが来た。 https://hirasakajuku.blogspot.com/2025/09/blog-post_14.html 今日の夕方、家族を連れて我が家を訪問してくれることになった。ありがたいことである。KGSが家族を紹介してくれるのも、家庭でのKGSの様子を聞くのも、楽しみだ。 歓談の時間も終わり、一行は妻の運転する車に乗って釜山大学見物に出掛けた。 残された俺はネットニュースを読んでいた。すると、「広中平祐」の文字列が見えた。「まさか」と思い、クリックしたら「死去」の文字が続いていた。広中先生が釜山大学で講演されたとき、我が家に先生を招いて妻の手料理でもてなした。緊張して何を話したのか覚えてないが、「フィールズ賞を取るほどの大家なのに、対等な目線で会話を楽しんでくれている。だからこそ数理の翼を始めとする様々な普及活動を通して人材を育成できたんだ。それが皆に親しまれ尊敬される理由なんだ」と思った記憶がある。事の経緯は以下に記している。 https://hirasakajuku.blogspot.com/2025/11/12.html なんだか心に穴が開いた気分だ。広中先生、安らかにお眠りください。先生の講演で影響を受けた釜山大学の学生は確実に存在しています。

驚異のコミュニケーション能力

 今日の午後、物理療法士の方が来られた。去年まで担当だった方ではなく新しい方だ。事前に妻が知らせてくれていたが、妻の外出と共に失念していた。門扉を開け応対したのは長男だ。通常であれば、「ルーゲーリック病 (ALSの別名) で手足が動かないし声も出ない。認知は問題ないし、韓国語も理解できる。まばたきが肯定を意味する」みたいなことを妻が説明してくれるのだが、不在のために長男は質問を逐次答える方法で急場をしのいだ。驚いたのは長男がその過程で私的な話題を折り混ぜて距離を縮めていたことだ。その方は女性で年齢も長男と同じくらいに見えた。その会話術があれば、非モテに属することはないだろう。 妻が帰って来てから四肢のマッサージが始まった。妻も驚異のコミュニケーション能力で仲良くなり、教会に通っていることがわかるとキリスト教の話で盛り上がっていた。どうやら妻から長男に遺伝したようだ。 脚のマッサージではアキレス腱を始めとする靱帯と筋肉が伸びて気持ち良かった。腕を後方に伸ばすマッサージでは激痛が走った。以前はそういうことはなかったのに、知らず知らずのうちに肩の可動域が萎縮しているのかもしれない。 その方は一ヶ月に一回の割合で訪問してくれるそうだ。JSYさん、今後ともよろしくお願いします。

漫談スケーリング

 今日の午後14時、訪問診療の歯科医の先生と看護師2名が来られた。前回の訪問診療は以下に記している。 https://hirasakajuku.blogspot.com/2025/12/blog-post_5.html 上記の訴えを伝えたいと思っていたが、タイミングが合わず事前にパソコンに接続することができなかった。先生の「前回の様子を日記に書いたか?」という冗談を幸いと思い、妻に「今すぐブログを読んで」と頼んで、スケーリングの最中に韓国語で音読してもらった。 先生は「スケーリングの結果、歯ぎしりができなくなった」のくだりで怒ったふりをして、「音の鳴る入れ歯を開発してほしい」のくだりで「そんなことは思いもつかなかった。早速、調べてみなければ」と言っていた。冗談か本気か定かではないが、「開発して利益が出たら5対5で分けよう。センサーを埋め込めばできるよ。次回までにやっておこう」と言っていた。 ALS患者は少数だからお金儲けはできないけど、全世界の四肢が動かず声も出せない患者に希望の光を与えることになるだろう。少なくとも俺は救世主として尊敬しまくる。上記ブログのコメント欄にあるように、入れ歯でなくともマウスピースなら交換も改良もしやすいし、意のままに音の強弱をつけられるだろう。 スケーリングの時間は90分を超えていた。その間、看護師さんたちは立ちっぱなしで、先生は尽きることのないユーモアでその場にいた全員を楽しませていた。歯の内側にこびりついていた歯石の大きさを見て驚いた。なんでも唾液にも歯石を形成する成分が含まれていて、半年ごとに新たにできる歯石を除去するものらしい。実際、最近はかなり大きな音の歯ぎしりを出せるようになっていた。現在は音が鳴らないが、3ヶ月後には元に戻るだろうから前回のような喪失感はない。次回の訪問診療での試作品は期待していないが、先生の漫談をまた拝聴したいと思う。

野球の日韓戦

 NetflixがWBCの独占放映権獲得というニュースを見て、加入しているから視聴できると安心していたが、一昨日の日本対台湾の試合をNetflix上で検索すると「視聴できません」の文字列が表示された。これは地域コードということで、権利の問題は地域ごとに事情が異なるので日本と韓国では視聴できる映像は異なるのだ。従ってVPNで日本のネットに接続して日本のNetflixに加入してWBCの日本戦を視聴する以外の方法はない。その唯一の例外が昨日の日韓戦だ。なぜならば、韓国の試合は韓国のテレビで放送されるからだ。こんな時は次男に頼むのが早い。俺は「野球の日韓戦がテレビで視聴できるか調べて」というメッセージを外出中の次男に送った。 しかし、試合開始時間の19時過ぎても、それから一時間経っても、返事が来ない。「ネット速報で試合経過は見れるし、このまま待機しているのも悪くない」と諦観していると、四回裏に妻からお呼びがかかった。次男に送ったメッセージに既読表示が付いていたので次男から妻に連絡があったのだろう。兎にも角にも、韓国の地上波でWBCの日韓戦を観戦できることになった。 印象に残ったことは投手の心理だ。両チームの投手陣は国内リーグでは無双の活躍をしていたから代表に選ばれたはずだ。そんな百戦錬磨の投手たちでも、一点もやれないとか、カウントが悪くなるとかの不利な状況になると、突然制球が乱れたりする。五回表の同点ホームランと七回裏の逆転打と八回表の危機にそういう場面が現れた。特に七回裏、牧が四球を選び、周東が代走、牧原が三振する間に周東が二盗を決め、代打の佐藤が一塁ゴロの間に周東が三塁に進み、この時点で二死だが、当たっている大谷を敬遠、近藤で勝負すればいいのに四球、鈴木にも押し出しの四球、吉田にセンター前二点タイムリーを打たれるという投手の自滅としか思えない状況でも、打者からの威圧感や同点の緊張感と圧迫感が投手を萎縮させることが見て取れた。 さておき、今後日本の試合を観戦するためには韓国の上位ラウンドへの進出が不可欠となる。MLBで活躍する菊池を打ち込み、前回優勝の日本と接戦になったことで気勢も上がっているだろう。日韓を応援しながら今後の戦況を見守りたい。 追伸)鹿島が4連勝で首位。5月2日に井上対中谷のタイトルマッチが決定。平戸海は初日白星。秋元はKO勝ち。藤井対永瀬の王将戦...

ガラスの砂浜

 NHKの「有吉のお金発見突撃カネオ君」で大村市の森園公園の海岸部に敷き詰められたガラスの砂浜が紹介された。生成AIによると2016年に完成したそうだ。俺は2019年に森園公園で過ごしたことがあった。妻に「ガラスの砂浜があるから行ってみる?」と誘われたが、車椅子だったことと「ガラスの破片が無造作に捨てられているだけだろう」という勝手な想像で拒否した。 その番組では「大村湾の浄化のために最適な大きさに丸型に加工したガラスを敷き詰めていて、インスタ映えする人気スポットになっている」との説明があった。タイミングよく妻が寝室に入ってきたが、「テレビに大村が出ている」と短い時間に文字盤で伝えられるはずもなく、妻はその説明の最中に部屋を出た。 今日は日曜日、次男は風邪をひいて部屋から出てこない。大村滞在中の長男、長女、三男はそれぞれの興味で楽しくやっているらしい。妻は「最近、周囲によくないニュースが多くて私まで気が滅入る」と言っていた。 冬期五輪も終わったし、なんかさえない日曜日だなあ。そうだ、ガラスの砂浜の動画を撮影してくるように子供たちに頼んでみようかな。

外出と顔本

 今日の午後、妻と次男の助けを借りて外出した。出発時間は14時、いつものように区役所の広場で日向ぼっこをした後、いつものコースで帰宅したのは1 6時だった。妻は終始ハイテンションで、「お父さんを家に残して外出してもお父さんが気になって楽しめないけど、今日はその心配をしなくていいから心から楽しい」と言っていた。 長男、長女、三男が大村に滞在中で不在の間、妻は次男に「ゲームばかりしてないで将来のことを考えて行動しなさい」みたいなガチの議論を吹っかけるようになった。一昨日の夜は24時から26時まで硬軟入り混じった話をしていたようだ。今日も普段はあまりしない話題を議論していた。 俺は親と2時間話すことはない。用事だけ伝えて結論を出すか先送りするか決めるだけなので、話してもせいぜい30分が関の山だ。妻の家族への接し方を見ると「仲がいいんだな」と思うと共に俺が育ってきた環境との違いに驚くことが多い。男女の違いかもしれない。 帰宅すると、注文していたスマホが届いていた。早速、開通させてフェイスブックのアカウントも復活した。不思議だったのは1ヶ月前にどんな手を尽くしても決して叶わなかったログインがパソコン内に保存してある既存のパスワードで達成できたことだ。「もしかしてスマホは関係なかった?」という疑念が生じたが、妻に直接伝える勇気がないので本欄に記すことにする。

予選会当日

 今日はNHK「のどじまん」の予選会当日だ。平坂家からは長女と甥が2月15日放送予定の本選への出場を目指して予選会に挑んでいる。二人を引率するのは大村在住の俺の弟だ。10時に弟が長女を会場まで連れて行き、11時から17時まで200名の歌唱力審査が行われ、17時半に本選出場者20名が発表される。ちなみに予選会での動画撮影は禁止されている。 ところが、18時過ぎても弟から連絡が来ない。 19時頃に二人とも落選したという報せが入った。 「ああ、これでよかったんだ」と心から思った。長女の歌なら自宅でも聞ける。甥は俺を元気付けようと、HIPPYの「君に捧げる応援歌」を歌ったそうだ。それが聞けなかったことが唯一の心残りだ。

三男のスマホ

 三男は以前からスマホの所有を切望していた。そう思うのも無理はない。三男の同級生のほとんど全ては、もっと言うと三男以外でもおかしくないほど、スマホを買い与えられているからだ。ちなみに長男は高校入学時に初めての携帯電話を手にした。長年に渡る三男の交渉に妻が折れる形でスマホの所有が許され、先月購入するに至った。 現時点で三男はスマホの世界に埋没することもなく節度のある使い方をしているように見える。俺は長男に頼んで三男のスマホにLINEをインストールしてもらい、家族全員が参加するグループラインを作ってもらった。俺はこのグループライン経由で、日々の気付きや提案をほぼ毎日投稿するようになった。日本語能力が低い三男には理解不能かなと思っていたが、驚くべきことに三男は俺の投稿を完璧に理解していた。「驚くべきことに」と書いたのは方便で、実はその理解の理由は想定内だった。三男は翻訳機能を用いて内容を理解し、時には返信までしていたのだ。俺は手加減のないメッセージを送るようになった。三男はこまめに返信してくれる。その頻度が視線入力の速度と程よく適合して会話らしきものが成立するようになった。今では三男がダントツで筆頭のライン友達だ。 技術の進歩は凄まじい。タレントの田村淳が「ベトナムの農村でスマホ経由で現地語と日本語で滞りなく意思疎通できた体験から英語学習の必要性を感じなくなった」と言っていたが、そういう時代が来ているのかもしれない。「親しくなって商談を成立させるには流暢な英語が必要」という意見もよく耳にするが、お互いに不慣れな共通語で話すよりは同時通訳可能なアプリで話す方が深い話ができそうだし、そもそも親しくなるには人間的魅力が重要で英語は手段に過ぎないのでは? 三男とのライン上の会話を経験してからそんなことを考えるようになった。 今日は長女と三男が大村に向けて出発する日だ。前段落の内容とは裏腹に11日間の大村滞在を通して、既に現地入りしている長男と共に三人の日本語学習熱が高まってくれるといいな。

フェイスブックにログインできない

 最近の読者や家族への連絡事項を以下に書き出してみた。 1)1ヶ月ほど前、俺が利用する全てのSNSのアカウントに対して再ログインを命じられた。パスワードを忘れたりして結構苦労したが、元通りに復旧することができた。ただし、フェイスブックは「臨時コードを携帯電話に送る」という段取りになった。俺は携帯電話を使う筋肉がない。しかし、銀行口座の管理には本人認証が必要なときがある、声が出ない俺は電話口での本人認証ができない、オンラインなら携帯電話が本人認証の代替手段となる、俺の代わりに三男が連絡用に持っていくことが多い、等の理由で月々の利用料を払っている。俺は妻に状況を説明して、臨時コードを知らせるように頼んだ。妻は「どうやっても充電できない。今度、修理できるか聞いてみる」と答えた。その一週間後、妻は「どうやら修理できないみたい。通信会社に対処法を聞いてみる」と言った。それから二週間後、俺も妻も携帯電話のことは忘れていた。そんなわけでフェイスブックは未だにログインできない状態だ。メッセージをその期間に送ってくれた方に返事できなかったことへのお詫びを謹んで申し上げます。 2)昨晩はこの冬一番の冷え込みだった。厳密に言うと、まだ冬は終わってないから暫定一番の冷え込みだった。こんな寒い夜には左の上腕の外側にだけ冷気が入ってくる気がして眠れない。俺が文字盤で「サムイ」と言ったら、毛布を丸めて左腕を覆うように置いてほしい。 3)俺のパソコンのOSはウィンドウズ10だ。昨日、次男にパソコンを起動してもらったら、ウィンドウズ11への移行を促す案内が画面に出てきた。このパソコンを購入したのは8年前だ。ウィンドウズ11に更新すべきかどうか悩んでいる。誰かその件に関して情報提供してくれたらありがたいです。 4)寝ているときは歯ぎしりの音が鳴るようになった。しかし、どういうわけか、座っているときは音が鳴らない。このために真横に人がいてもSOSが伝わらない。家族のみんなにお願いしたいことは、座っているときに俺の表情を見て通るようにしてほしいということだ。 5)日によってばらつきがあるのだが、視力が落ちている気がする。新しい眼鏡を購入したいのだが、レンズの調整の出張サービスが可能かどうかを尋ねてほしい。

胃瘻問題

昨日の夕食時、妻は俺の左脇に座り、俺の胃瘻に流動食を注入し始めた。胃瘻とは俺のように飲み込むことができなくなった患者に栄養補給するために胃の内部と体外を繋ぐプラスチック製のチューブのことだ。たまに詰まったりすることもあるが、注射器で吸い出したり、チューブをほぐしたり、水を強引に注入したりすれば、大抵の場合は解決していた。というか、過去に詰まったままで解消しないことは一度もなかった。 60mlの注射器で流動食を注入していた妻が上記の解消法を一通り試し始めた。どうやらチューブに食物が詰まっている様子だ。しかし、いつまで待ってもそれ以上流動食が注入されることはなく、途方に暮れた妻が「ごめんなさい」とギブアップ宣言が発された。これは結構深刻な問題である。なにしろ、詰まりが解消されない限り、俺は栄養を吸収できないのだ。幸いに水分はチューブを通過した。妻は救急病院や訪問看護士に電話を掛けて翌日以降の対策を立て始めた。 今日は長女が通う高校の卒業式がある。本来であれば妻が卒業式に出席して、その帰りに長女と妻の二人で外食するはずだった。非情にも妻はその予定をキャンセルして、かかりつけの訪問看護士に依頼して午前中に胃瘻の交換をすることを選択する。妻の代わりに三兄弟が卒業式に出席することになった。 訪問看護士の方は非常事態ということで他の予定を差し替えて来てくれた。本当に頼りになるし、「ありがたいなあ」と思う。交換した胃瘻の古い方を分析してみると、詰まりの原因がわかった。それは野菜に紛れ込んだ骨の欠片が斜めにチューブの中にへばりついていたからだ。かくして、胃瘻問題は一件落着となった。俺はじっとしているだけだったが、妻を始めとする家族があたふたする出来事だった。骨の欠片は誰かの象徴かもしれない。

のどじまんの予選会

 NHKの「のどじまん」の大村開催まで2週間を切った。 https://hirasakajuku.blogspot.com/2025/12/blog-post_8.html 上記のように俺が長女の代わりに出場希望の申し込みをしていたが、先週の木曜日に発送されているはずの予選会への書類選考通過の通知も来ないし落選メールも来ていない。「一体、どっちなんだ?」と悶々とする週末を過ごした後、今日の正午に大村の実家から「予選会への案内の葉書が来たよ」という連絡があった。 急転直下の朗報に嬉々とする時間はほんの一瞬だった。その連絡を受けた妻が「男ならともかく大切な娘を人前に晒すとはどういうこと? 授業の英語の発表でも緊張して夜眠れない子がどうやって舞台で歌えるのよ?失敗してトラウマになったらどうすんのよ」と詰め寄ってきた。確かに「どうせ書類選考で落ちるよ」と言って長女の意志を確認せずに応募したのは事実だし、長女をテレビに出演させたいというのは親のエゴだと思う。妻が反対し続けるなら諦めるしかないと思っていると、長女から妻に電話がかかってきた。 長女は今日から冬休み明けの登校が始まり、三日後には卒業式を迎える。その帰り道で俺の母からのメッセージを見て妻に電話したというわけだ。電話の中の長女はケタケタと笑っていて、とても予選会への出場を嫌がっているようには見えない。俺は内心「いいぞ、いいぞ。本人が望むなら妻の反対も和らぐだろう」と思っていたら、実家の母から妻に電話がかかってきた。 電話口の母は「出場申し込みは寝耳に水」という感じで妻と同じ心配を述べていた。「イカン、形勢不利」と思っていたら、母が「出場したくないなら予選会に行かなければいいから早く来てほしい」と言い出した。結局、13日から24日まで長女と三男が大村に滞在することになり、予選会への出場は長女の決断に委ねられることになった。 パソコンに繋がってから長女に「予選会に200人が出て20人が本選出場だからまず受からないよ。お父さんは予選会で歌っている動画を見るだけで満足だよ」と伝えた。

七割問題の補足の補足

 以下の投稿で https://hirasakajuku.blogspot.com/2026/01/blog-post_12.html 一日の痰吸引の回数が20〜30回と書いた。「それは多すぎるんじゃあないか?一時間に1回っていうことだぞ」と自問自答してみた。ごく稀に痰が出てこないでカフアシストと吸引を繰り返すこともあるので、吸引回数が30回を越える日もある。しかし、それを読んだ人の印象と実際の生活とで乖離があるような気がするので、補足することにした。 先ず、一週間分の吸引回数を数えてみた。18, 13, 7, 16, 12, 9, 12である。 強調したいのが、「あ、痰が詰まっているかな?」くらいで吸引を頼むので呼吸困難になるはるかに手前の段階ということだ。気管切開したばかりの頃は夜中に熟睡中の妻を何度も起こして吸引を頼んでいたが、今は夜中に吸引を頼むのは一週間に一回程度だ。 補足の話はここまでで、次の段落では今日の出来事を述べる。 子供たちは全員冬休み期間中で、妻は俺の介護と子供たちの食事の準備と片付けをすることになる。そんな中、妻は散髪と洗髪と全身のアカスリをしてくれた。湯舟に浸かることができない俺が清潔にしていられるのは妻の不断の努力によるものだ。

黄砂の青空

 昨日の午後、外出した。雲一つない快晴だったが、昨年の秋に見た青空とは異なり、黄砂の影響なのか霞がかりややくすんでいた。三男は友達と遊びに行った。土曜日の午後でも子供たちは外出することが多い。しかし、昨日に限っては三男以外の全員が家にいた。受験を終えた長女と大学生の長男と次男、忙しいようには見えない。俺の外出準備を手伝う流れで一緒に行くことになった。このメンバーでの外出は三男の誕生以来初かもしれない。ムードメーカーは長女で、皆に話しかけ自身も楽しんでいる様子だ。 いつものように区役所の広場で日向ぼっこをして、いつものコースで帰ろうかというときに事件が起きた。三男からの電話を受けた妻が突然金切り声を上げ「今すぐ家に帰って来い」と叫び出した。「ははーん、友達と遠出していることを責めているのかな?以前は自転車で海雲台まで行ったからなあ」と思っていると、突然目の前に三男が現れた。三男は電話口で「東来女子高校の陸橋にいる」と言っているのを妻が「東来駅の陸橋にいる」と誤解したのが原因だ。ちなみに東来女子高校は長女が通う学校で、区役所の近くにある。理不尽な罵倒を浴びた三男は「精神的衝撃が大きい。謝罪してほしい」と冗談めかして妻に詰めよるが、妻は相手にしない。 その後、三男の中学校の制服の採寸を済ませ、お開きになった。自宅アパートの前で家族全員の集合写真を撮ったのがこの日のハイライトだった。長男と次男はつるぺの関係でお互いの不在を補完するかのように介護してくれるし、三男にとっての父親の役割を果たしてくれる。 昨晩は長女の提案で「天気の子」というアニメーション映画を観ることになった。友達と食事に行った長男以外の全員で視聴した。俺の寝室はミニシアターに早変わりして、俺以外の全員が買ってきたスナック菓子やチョコレート菓子を美味そうに食べていた。「誰か一人がいないと大きな穴が開いたように感じる」とは妻の弁である。ウチは家族旅行やレストランで食事なんてことはできないけど、こんなに安上がりに一体感を味わえることがわかった一日だった。