五月の誓い
小学生の頃、「あたし、キレイ?」が決め台詞の口裂け女の怪談が流行った。整形手術に失敗した女性がその裂けた口をマスクで隠しているという設定だ。その影響なのか、「整形」という言葉に過剰反応するようになり、近所の整形外科の病院を疑惑の目で見ていた。そして、「整形という行為の報いとして口が裂けた」という図式から「整形は悪」が子供心に刷り込まれた。それから40年以上の時が流れて世の中の美容に関する考え方は大きく変わった。俺も「可逆な美容形成手術は化粧と大差ない。それで人生が開けるなら素晴らしいことだ」と考えるようになった。 最近、1分小説というシリーズを書き始め、6本を投稿した。1)から 5)はAIの評価と改善点を聞いた上で作成した。5)でAIは原文の最後の一文を削除するようにと提案した。俺はAIには従わず我を通した。しかし、AIの評価を見てしまうと、自身の評価に揺らぎが生じた。すなわち、自分の文章が整形されそうになって自信がなくなった。この議論は美容整形と重なる部分が多いと思う。例えば、整形して結果が良かったら次も次もで歯止めが効かなくなる、整形したら個性がなくなる、整形したと公言すれば責められない、などだ。俺は「AIに評価を委ねていると依存するようになって、AIの進歩と共に俺らしさが失われる」ことを危惧して、6)では「AIによる補正無し」と明示した。 これからもAIによる補正の有無を明記するつもりだ。拙い文章でも俺らしさを失いたくないからだ。