帰って来た長い夜
昨日の夕方、妻が体調不良を訴え、ベッドで寝ていた。一眠りすれば直るだろうと思っていたが、2時間、3時間と眠り続け、次男に店屋物を頼むように指示して、俺の夕食を作ることを諦めて、次男に胃瘻から栄養剤を注入するように命じた。 俺は23時半に就寝した。胃に違和感があったが、「液体である栄養剤で胃もたれすることはないだろう。一眠りすれば違和感も解消するはずだ」と思い、実際に1時間ほど眠った。しかし、その違和感は増幅し、そこから長い夜が始まった。胃の中は胃液しかないはずなのに、軽い吐き気に襲われる。眠りたいし、眠気も来ているのに、吐き気のために眠れない。頼みの妻は熟睡中で、「慢性的な睡眠不足が原因かも」と言っていたので起こせない。そうやって悶々としていると目が冴えて来て、覚醒してしまった。窓の外はまだ暗い。他のことを想像して気を紛らわせようとするが、結局は吐き気に戻る堂々巡りが繰り返される。外からは鳥の鳴き声が聞こえる。 そうしていると、妻の寝息が聞こえなくなった。「夕方から8時間以上寝ているから自然と起きる時間になったのかも」と思い、アヒルを鳴らして「ピー」という音を響かせた。妻は微動だにしなかった。代わりにやってきたのは次男だった。なんでも「暑くて目が覚めた」そうだ。用を足すと緊張がほぐれるものだ。俺は1時間眠ることができた。しかし、違和感は解消しないままだ。俺は背中への圧迫感に耐えられなくなりアヒルを鳴らした。妻は眠そうな顔で「昨日より良くなっているけど、まだ頭痛が残っている」と言った。妻は俺を座らせ、その態勢で2時間眠ることができた。 時刻は9時半、ようやく違和感が消えた。俺は妻の体調が回復傾向にあるのを喜び、長い夜の終わりに安堵し、家族の介護のおかげで生きていることを再認識した。