魔法の布団
自宅の押入れには厚い冬用羽根布団がしまってある。この羽根布団はとにかく気持ちがいい。体からの熱を受け止め、体温に近い温度を維持してくれる。ずっとそこに居たい、朝まで同じ姿勢でも苦じゃない、これから何の想像をしようか、このまま眠りについたら素敵な夢が見られそうだ、というほど快適だ。 その甘美な記憶から10月初旬以来虎視眈々と羽根布団を使用する機会を伺ってきた。しかし、気温が一向に下がらない。10月ともなれば寒暖差が激しく夜は肌寒く感じるものだ。しかし、最近の10月は俺らが慣れ親しんだ10月とは異なり、夜でも薄めの布団でも間に合うし、毛布だと暑くて眠れないほどだ。 先週、今秋初めての羽根布団を被って寝た。その夜は底冷えして深く長く眠ることができた。それからずっと羽根布団を被って寝ているが、昨晩はフラッシュホットみたいになり、アヒルで妻を起こした。妻は布団を下半身だけ剥いだ。そうすると寒さが気になって眠れなくなった。その間、「体が動いたら、空気の通り道を作るとか、布団の掛け方を調整するとか、横向きに寝るとか、睡眠のために最も快適な姿勢と環境を作れるんだ。健康だった時は気付かなかったけど、こんなにすごい最適化能力を人間は持っているんだ!」と考えた。 朝方に再度妻を起こし、布団を体全体に掛けてもらった。妻の「夜中に起こされても、すぐ眠れる体質でよかった」というのが救いだ。妻に羽根布団をプレゼントしたいな。