紛争終結
日曜日の午前7時、妻は起きた。もっと寝ていればいいのにと思いつつも妻はカーテンを開けて室内に日光を取り入れる。妻は居間の電源を切って、居間で寝ている長男に聞こえよがしに「こんなに涼しいのにエアコンの設定温度を25度にして分厚い布団を被って寝るのは理解ができない」と言い出した。俺は「暑さ寒さは人それぞれ。夜中にエアコンのタイマーが切れて蒸し暑さで起きるよりは一定の温度が保たれる方がいいのに。そもそも、寝ている長男に嫌味みたいなことを言ったらぶつかるのが目に見える。しかし、妻は四人姉妹で鍛えられているせいか、思ったことを口にしちゃうんだよなあ」と思った。案の定、妻と長男は言い争いを始めた。 そこで妻の本領が発揮される。妻は長女を起こし、「日光浴をしに散歩に行こう」と言って、長男に「起こしてごめん。桃でも買ってくるね」と紛争を終結させた。俺は言いたいことがあってもとりあえず吟味してから言うようにしてきたし、今となってはそうするしかないのだが、「言いたいことを言えるのが家族の良さであり、変に貯め込んだりするよりもストレスが溜まらないのではないか?」と思い直すようになった。ただし、妻の仲直り術がないと泥沼の抗争状態が続きそうだ。 時刻は7時半、6時キックオフのイングランド対ノルウェー戦が佳境を迎える頃だ。10時から始まるアルゼンチン対スイス戦に集中するために視聴を諦めた試合だったが、妻の安眠を妨害しないのであれば話は別だ。次男を呼んで座った状態での観戦が始まった。 ノルウェーは強豪対策を弄するのではなく、イングランドにがっぷり四つになり、試合を通して押しているように見えた。というか、イングランドの試合を見るたびに思うのが「ケイン、サカ、ベリンガムがいて、プレミアリーグのスター選手たちで構成されているチームが何故このようなつまらないサッカーしかできないのか?」ということだ。試合は延長戦に入り2対1でノルウェーが敗れた。 スイスはエジプトと同様に前線からプレッシャーを掛けてきた。アルゼンチンが早い時間帯に先制して守りを固めたこともあってかなり長い時間アルゼンチンは防戦一方だった。アルゼンチンの今大会の試合を見るたびに「前回大会決勝前半でフランス相手に見せた華麗で得点に直結したサッカーはどこに行ってしまったんだ?」ということだ。試合は延長戦に入り3対1でスイスが敗れた。 ...