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追憶の試合

今日の午後、教授蹴球会のAWG教授、JIM教授、KMC教授、SSK教授 ( アルファベット順)  が見舞いに来てくれた。ありがたいことである。俺が「追憶の試合は何ですか?」と尋ねると、4人の教授が声を揃えて以下の懐古録に収録されている試合を挙げた。 2016年12月某日、新設された人工芝蹴球場の苔落としとして、金井区区庁職員チームと釜山大教職員チームとの親善試合が催された。 釜山大総長の肝入りで実施された行事であったが、冬の寒空の下、大粒の雨が降り落ちるという最悪の天候で、 「いくら何でも中止だろう。見ているだけでも凍え死んじまうよ」 と誰もが思っていたのだが総長の鶴の一声で決行されることになった。 その総長は釜山大教授蹴球会の会員であり、自ら試合にも出場するというのだ。そんな彼に誰が中止の進言ができようか。 前半は水溜まりでボールが止まり、サッカーと言うよりは水遊びと言った趣で、総長がCFを務めていたので、接待と言う色合いが強かったが、雨が止み、時間が経つとともに真剣さの度合いが増していった。 俺のポジションは左MFである。この時は仕事が多忙で週一回の教授蹴球会の練習も欠席がちで、走力は全盛期の半分にも満たない状態であった。加えてこの悪天候のため、今一やる気が出ない状態だった。 しかし、染みついた本能と言うのは恐ろしいものである。相手チームのバックパスが水溜まりで跳ねて相手守備が後逸した瞬間、俺は獲物を狙う豹のように駆け上がり、追いすがる相手守備陣を尻目にそのままシュートを放つ。低い弾道のシュートは相手ゴール右隅に突き刺さり、遅れて倒れこむ相手GKとの構図は完璧だった。 観客席のテントの下で戦況を見守るのは大学本部で奉職している教授達で、数学科の同僚も含まれていた。前半が終わった休憩時間では職員から乾いたタオルを渡され、数学科の同僚から 「半端ないね」と言う意味の誉め言葉を韓国語で言われ、鼻高々だった。 後半に入ると総長はスーツに着替え、観客席に座った。空いたCFに指名されたのは俺だった。そして相手チームには前半出場してなかった若手数名が投入されていた。釜山大チーム守備陣は1対0で終わらせると息まいており、体も十分温まり本気度が増していった。実際、両チームの当たりが激しくなり、最前線に陣取る俺には投入された若手が眼を光らせることとなった。 ...

愛するアーセナル

 昨日の20時半からアーセナル対ボーンマスの試合の生中継を観戦した。アーセナルは応援しているチームの一つだ。そのきっかけは名古屋グランパスエイトの監督だったアーセンヴェンゲルだ。彼はアーセナルの監督に就任すると、将来有望な若くて安い選手を獲得してスターに育て上げ高値で売却してクラブに利益をもたらした。名古屋でも見られたように個人の技能や特性を見抜きチーム力に直結させる手法と監督のサッカー感を反映する流麗なパスワークで数々のタイトルを獲得した。経営者としても非常に優秀でクラブの悲願だった自前のスタジアムの建設を現実のものにした。 そのスタジアムでボーンマスを迎え撃ち首位の座を盤石なものにする。そう信じて観戦するアーセナルファンが大半だっただろう。かく言う俺も半ば祝祭気分でキックオフの時を待っていた。現段階で2位との勝ち点差は9、ホームで中位のボーンマスから勝ち点3を挙げ、次節の2位マンチェスターシティとの対戦で弾みをつける。そんな算段を描いていた。 試合開始からボーンマスの攻撃陣はアーセナルの守備陣が保持するボールを追い回しアーセナルパスワークを機能不全にする。ここまではよく見られる状況だ。その体力はいつか落ちてくるだろうし、そんな圧力をさらりとかわせるのが首位に立つ所以なのだ。前半半ばまでそういう展開で、「あれ、おかしい。もしかしたらエースであるサカの欠場が響いているのか?」という疑念を抱いていると先制点を奪われた。「面白くなって来た。これで目が覚めるだろう」と思っていたら、PKを獲得して同点になった。 後半になってパスワークが改善されるが、ただ回すだけでゴールが遠く見える展開にヤキモキしていると2点目を奪われた。CKを何本も獲得してライスが放つ正確無比な弾道が相手ゴールを襲うが不発に終わった。マンチェスターシティは試合数が2試合少ない。今回のアーセナルの敗戦はマンチェスターシティの自力優勝の目を残すことを意味する。終盤まで首位で、最終盤で息切れして2位というのは今まで何度も見てきたアーセナルの伝統芸なのだ。「また繰り返してくれるのか?」という期待を持ちつつ、優勝争いを見守るのが正しいアーセナルファンの楽しみ方なのだ。

解散宣言

 JIM教授から妻へ電話がかかってきた。そういう場合、妻はスピーカー機能をオンにして通話内容を聞こえるようにしてくれる。JIM教授は釜山大学教授蹴球会の創立者であり、長年に渡って会長としてチームをまとめてきた。俺も含めて自己主張の強い個性派揃いの会員たちを御していくには「全てを包み込む皮袋」に徹することもできる人格のJIM教授が適任だった。 「教授蹴球会の中核メンバーが定年退職してしまって、これを機に解散することにしたよ。平坂教授に伝えなきゃと思い電話したんだ」という内容が妻のスマホから聞こえた。俺が蹴球会に参加できなくなって丸7年になる。その当時も最年少メンバーだったし、新しいメンバーが入って来ないという高齢化問題を抱えていた。「ついに来るべき時が来た」というのが感じで受け止めていた。 金曜日の15時に陸上競技場に行くのが楽しみで、全力で走り全力でプレイして終了時間の17時には疲労困憊になって研究室に戻るのが心地よかった。ゴールを決めたチームメイトに駆け寄ってハイタッチの後胸を合わせて祝福するのが俺の流儀だったし、そうやってサッカーの持つ一体感を味わっていた。遠征試合前日の飲み会も出陣式みたいな雰囲気で楽しかったし、試合終了後にサウナで汗を流し別会場に移動しての飲み会も楽しかった。何も喋らなくても居場所があるような気がした。 釜山大学教授蹴球会で過ごした時間は俺の青春だったし、それと似たようなことを俺以外のメンバーも感じていると思う。そんな時間を共有していたメンバー全員に感謝を伝えたい。

日本対イングランド戦

 ユーロ2024でイングランド代表の試合を見たが、「これだけスター選手が集まっているのに、なんでこんなにつまらないサッカーしかできないんだろう?」という感想を抱いた。その後、監督がチャンピオンズリーグを制した名将トウヘルに交代して、北中米ワールドカップ予選を8戦全勝で突破して新生イングランドを印象付けた。 今回の日本対イングランドの親善試合でサカやケインなどの主力の離脱が相次いでいることが報道されていた。そうは言っても、残りの選手がイングランドプレミアリーグのスターであることは変わらない。試合会場はサッカーの聖地ウェンブリースタジアムで、九万人の大観衆が押し寄せることも報道されていた。わかりやすく喩えると、国立競技場で日本対インドネシアの親善試合に日本のゴールラッシュを期待するファンとサポーターが集結するようなものだ。 スコットランドに1対0で勝った日本であるが、富安の離脱が報道され、久保と南野という攻撃の核が不在の中、「今まで何度も経験した期待して裏切られる試合が再現されるか否か? 昨年のブラジル戦での逆転勝利みたいなこともあるからなあ。しかし、生中継が見れないのが悔やまれる」なんてことを考えながら眠りについた。 朝、起きて7時のニュースで日本が1対0で勝ったと聞いてびっくりした。ニュースでは静止画しか出ないので、ネットでハイライトと戦評動画をハシゴした。三苫、中村、三苫のパス交換からのゴールは美しかった。その後から試合終了まで、イングランドの猛攻に守備が破綻することなく無失点に抑えたのは称賛すべきだし、ワールドカップ本選に向けての自信と経験になったと思う。悩ましいのは今回の勝利で警戒されるようになり、本選でロングボール主体や堅守速攻のような日本が苦手とする戦術を徹底されることだ。そのような意味で初戦にオランダとガチンコ勝負できることはよかったと思う。決勝トーナメントで勝ち進むことを考えたら、3位抜けの方がブラジルとモロッコを回避できるので望ましいと思う。

決戦は日曜日

 棋王戦五番勝負第五局の藤井聡太棋王対増田康宏八段の生中継を視聴している。素人目には馬を作っている後手の増田八段が有利のように見えるが、AIによる形勢評価は藤井棋王の有利を示している。手数が進むごとに藤井棋王の優位が拡大し、「ここまで来たら藤井棋王が勝ちを逃すことはないだろう」という局面に差し掛かった。結局、藤井棋王の圧勝で棋王戦四連覇を達成した。土壇場での勝利は「藤井聡太が飛び抜けた存在である」ことを改めて印象付けた。 話題は変わって、サッカー日本代表がスコットランド代表に1対0で勝利した。三日後のイングランド代表戦を見据えての主力を温存した先発メンバー、敵地グラスゴーでの試合、負傷者続出でベストメンバーが組めない日本代表、などの悪条件が重なっていて、ボロ負けすることもあり得ると予想していたが、後半から主力を投入して勝ち切ったことは大きいし、弱かった時代の日本代表を知る者として隔世の感がある。 コメント欄に「大学院生時代の俺を記憶している」という投稿があった。光栄なことだし、身が引き締まる思いだ。俺の名前を覚えていることも、そこからどうやって本ホームページに到達したのかも気になるところだ。こういう偶然の出会いがあると、「インターネットは時代を超えて全世界に繋がっているんだなあ」と思う。

蹴球伝説 3)

 イングランド代表だったジェラードは強烈なミドルシュートを撃つことで有名な選手だった。 https://www.youtube.com/watch?v=vu9gpa2cg38 上の動画を見ると、「そりゃあそうだろう。高身長と長い脚の体躯は遠心力を活用した引き金になっているに違いない」と納得させられる。そんな折りに活躍し始めたのがメッシだった。メッシはドリブル突破が有名な選手で、後にワールドカップを母国アルゼンチンにもたらし、世界の歴代選手の筆頭を争うほどのすごい選手だ。そのメッシはシュートの名手でもあった。ジェラードほどではないが、「あんな小さな体でどうやったらそんなに強いシュートが撃てるのか?」と感嘆するほどの威力だった。 俺はメッシのシュート技術に感化され、自宅マンションの敷地に隣接する小学校の校庭で練習を始めることにした。遊具の一つである鉄棒の壁にボールを打ち込み、その跳ね返りをトラップして打ち込むという動作を繰り返した。意識したのはメッシで、「ボールの芯を正確に捉え、蹴り足に体重を乗せ、膝から下の振りを速くする」ことだった。一回打つたびに「今のはいい感触だった」とか「体重が乗ってなかった」などの評価をして改善のヒントにする作業をやり続けた。運動音痴だった俺は与えられた練習メニューの意味もわからず盲目に追従していた。しかし、30代後半の俺は「自分の体をどのように動かすか」を分析し実行できるようになっていた。そのうちジェラードの映像が頭に浮かんできて、「手首のわずかな動きで大きく波打つ鞭のように腰から連動して足首に最大のモーメントを生む」蹴り方を模索するようになった。 そんな練習をしてもその成果を披露する機会は訪れなかった。なぜならば、教授蹴球会での俺のポジションは守備だったからだ。それは毎週金曜日に行われる学生チームとの練習ゲームでも同様だった。 https://hirasakajuku.blogspot.com/2026/03/2.html https://hirasakajuku.blogspot.com/2025/07/blog-post_25.html 上記の記事で触れているように、俺はかなり勝負にこだわっていたので、守備に専念することは失点が少なくなって接戦になることを意味しており、俺は自らの選択で上がらないようにしていた。 ある日、教授蹴球...

スポーツ三昧

 先週末の出来事をまとめてみた。 1)なでしこジャパン がオーストラリアで開催されたアジアカップの決勝にて同代表を破り優勝した。しかし、NHKの21時代のニュースでも取り上げられなかったし、ネットニュースでも扱いが小さかった。女子サッカーファンの俺としては寂しい限りだ。 https://hirasakajuku.blogspot.com/2025/02/blog-post_27.html でも触れたように、新監督のニールセン氏の手腕を高く評価していた。その後、メディアの後押しがあったのにも関わらず、国内の親善試合で格下のコロンビアに引き分け、ブラジル遠征でコテンパンに負けて、欧州遠征でもスペインに為す術もない負け方をして、国内組だけで臨んだ中国と韓国との試合でも勝ち切れず、「この監督で大丈夫か?解任されてもおかしくない内容と成績だぞ」と思っていたが、今回の優勝でニールセン氏の首が繋がることになった。 2)大相撲春場所は霧島の優勝で幕を閉じた。霧島の大関復帰も確実視されている。俺は豊昇龍を応援していて、その敵役の霧島を推すことはなかったが、今場所に限っては「大関に復帰して、豊昇龍とのライバル関係も復活するといいな」と思っていた。今場所の豊昇龍は霧島に負けたのはしょうがないとしても、琴櫻に負けて千秋楽を退屈なものにしたのは横綱としていかがなものかと思った。平戸海は藤の川に負けての負け越し。実力者揃いの幕内上位に踏みとどまってことを良しとするべきなのかもしれない。来場所以降も踏ん張りどころだ。 3)昨晩はイングランドプレミアリーグのニューキャッスル対サンダーランドの試合を生観戦した。知っている選手は一人もいなかったが、「ボール保持者への寄せの速さ、フィジカルモンスター同士の球際の攻防、原則的に前へ前へと攻める姿勢、終盤になっても衰えないスタミナ、鋭いクロスと強烈なシュート、勝とうとする飽くなき闘争心」というリーグの魅力を体現するような好試合だったので最後まで見てしまった。

蹴球伝説 2)

「おい、反則だ」と思わず日本語で叫んだ。時は2007年10月、場所は釜山広域市のサッカー場、俺は釜山大学教授蹴球会の一員として全国大会の出場権を賭けて釜山教育大学の教員チームとの試合に臨んでいた。ただし、釜山大は主力を温存していた。これは「その前の試合で出場機会のない教員に対する配慮」と「全国大会に出場したらその費用を会費だけでは賄えない」と「とりあえず、前半の様子を見てから本気で全国大会を目指すか決めよう」という複雑なチーム事情が起因していた。 最年少で、そのチーム事情を理解してなさそうで、常に勝負にこだわり、学生チームとの練習ゲームでも熱くなる、俺は何の説明もされずに二試合連続でスタメンに名を連ねていた。俺の目には「俺の手でチームを勝利に導く」という青い炎が宿っていた。 教育大のプレイは荒かった。最初は「真剣勝負で興奮してついつい脚が出るのだろう」と思っていたが、時間が過ぎるにつれ、「もはやラフプレーの範囲を越えている。相手を負傷させることを目的としてやっているとしか思えない。コイツらも大学教授なのか?」と疑念を抱くようになった。特に教育大の10番はその背番号とは裏腹に審判の見てないところで脚を蹴るという悪質な行為を繰り返していた。冒頭の叫びも10番が俺を背後から押して、俺がつんのめったところで発されたものだ。俺は怒りに震え、「どうやって復讐するべきか」を考え続けていた。しかし、アンチフットボール的な手段で復讐を果たしても同じ穴のムジナになってしまう。やはり、最大の報復は正攻法で試合に勝つことに尽きる。現在、スコアレスで前半を終えようとしている。俺はチームメイトを鼓舞してピッチ上の誰より動き回り、体を張って守備をした。すると応援に来ていた学生チームの面々から「ひ、ら、さ、か」とコールされた。もう気分はブラジルで大声援を受ける三浦カズだ。 後半から釜山大の主力たちが投入されて、俺のポジションは中盤に上がった。俺は中盤で相手チームのボール保持者のパスコースを切りながら間合いを詰め、ボールを奪い取った。自信を深めた俺は縦横無尽に動きまくり、敵の攻撃の芽を摘むと共に味方の攻撃の起点となった。その働きは俯瞰で撮影したDVDに記録されている。釜山大優勢のまま推移したが、引き分けだと教育大が全国大会出場となり、復讐も成就することはない。後半終了間際、釜山大はコーナーキックを得...

大相撲とサッカーU-23

 先週のスポーツイベントに関する雑感を述べる。 1)大相撲初場所千秋楽をテレビ観戦した。贔屓力士の平戸海は若自身のロールモデルである若隆景に負けて9勝6敗で今場所を終える。現在の幕内上位は若手の台頭で実力者揃いなので、勝ち越すだけでも大変なのだ。来場所は番付が上がるのでより厳しい戦いが予想される。義乃富士は横綱を破っての8勝7敗で来場所の三役昇進が期待される。安青錦は優勝決定戦で熱海富士を破り二場所連続で優勝。あの低い姿勢を保つ取り口は強靱な背筋とバランス感覚が必要なはずだ。しかも「どこで身につけたんだ!」と驚くほど相撲が上手いし、理に適っている。大の里に弱く、豊昇龍に強く、豊昇龍は大の里に強い、という三すくみがどのように変化するかも興味深い。伯乃富士、怪我で休場した尊富士、熱海富士が所属する伊勢ケ浜部屋の勢いは若貴時代の藤島部屋を彷彿させる。 2)サッカーのU-23のアジア選手権がサウジアラビアで開催されて、日本が優勝した。準決勝の日本対韓国の試合だけは生中継を観戦することができた。日本は五輪を見据えて21歳未満の選手たちで構成されているが、欧州で活躍している選手は召集されてない。韓国は今年日本で開催されるアジア大会で優勝すれば兵役免除されるのでベストメンバーで挑んできている。気になったのは両チームとも飛び抜けた選手が一人もいないことだ。昔は何人かのスター選手がいて、彼らの成長を見守ることが見所の一つだった。サッカーの試合は相対的なものだから、昔だったら注目選手だったが、全体の水準が上がったが故に平凡に見える可能性は否定できない。確かにトラップ一つとっても昔より格段に上手くなっているし、球際やヘディングも強くなっている。しかし、昔ならどのカテゴリーでもアドレナリンが出まくった日韓戦なのに、今回は試合自体も淡白で山場もなく、何より「どんなことをしても絶対に勝つ。日本に負けたら一生の恥」という闘志を韓国の選手から感じることはなかった。

金曜午後の胸騒ぎ

  今日は金曜日、金曜日の午後になると心が騒ぐ。いや、騒いでいた時期があった。それは2007年10月から2017年12月までだ。 釜山大学のメインキャンパスは山のふもとに正門があり、山の中腹に校舎や体育館が建っている。その最上部には観客席付きの陸上競技場があり、トラックの内側は緑の人工芝が敷かれたサッカー場がある。前述の期間は俺が教授蹴球会でボールを蹴っていた期間だ。俺は研究室でユニフォームに着替えて、サッカー場までの山道を上っていた。 教授蹴球会の最年少は俺で、俺より若い教員が入会することもあったが、定着はしなかった。毎週金曜日の午後の2時間、教員チームと大学院生チームとの試合形式で競うのが常だった。 以下は懐古録からのシングルカットで、初期の様子を描いている。ちなみに、末期はALSが進行中で、ボールを奪って逆襲という時に前のめりに転んでしまい、「以前はボールが破裂しそうだったのに、今日はお前が破裂しそうだ」とチームメイトからからかわれた。俺は苦笑いしていたが、「前日まで自主トレして万全の準備で臨んだのに、この体たらくは何なのだ?」と不安を感じていた。 追伸)HDH君が妻子を連れて見舞いに来てくれた。ありがたいことである。 釜山大学教授蹴球会が結成されたのは2007年の秋だった。その噂を数学科の先輩教授から伝え聞いた俺はその練習場である陸上競技場に赴いた。陸上トラックの内部は緑の人工芝が敷き詰められている。 小学生のころからずっと、サッカーをやるときは土かコンクリートか原っぱでやるのが相場で、緑の芝のフルコートでサッカーをするというのは夢のまた夢の世界だった。というわけで、目の前に広がる緑を見て感動で打ち震えていたのである。 この教授蹴球会というのは発足したばかりで体系的な練習は皆無で、体を慣らすために適当にシュート練習をやって、実戦形式のゲームを始めるのが常であった。驚くべきは、そのチーム分けが教授チームと経営学科サッカーサークルに属する大学院生チームとで試合をすることである。 教授チームは年齢も容姿も様々で、過去に実業団に所属していた教授がいたり、白髪の方が多い定年間際の教授がいたり、訪問教授として釜山大に滞在しているドイツ人、エジプト人、そして教授チーム最年少の日本人がいた。 一方の大学院生チームは足元の技術がしっかりしているのは5名くらいで、残りは...

仲里依紗の家族史

 NHKの「ファミリーヒストリー」では仲里依紗が紹介されていた。彼女の祖父がスウェーデン人であること、長崎県東彼杵に実家の洋品店があること、仲里依紗が本名であることを初めて知った。「破天荒な性格と服装の割には家庭的だな」という印象が裏付けられた。船乗りの祖父が「スウェーデンには帰らないから結婚を認めてください」と言った場面で感涙。この回は歴代のファミリーヒストリーの中でも珠玉の出来だったと思う。 2026年開催のワールドカップのグループリーグ組み合わせ抽選会が行われた。日本はオランダ、チュニジア、「ウクライナ、スウェーデン、ポーランド、アルバニアの中で勝ち上がった一国」と同組だ。前回大会のスペインとドイツと同組というのに比べると恵まれた組み合わせに見えるが、全勝も全敗も起こってもおかしくないほどの実力が拮抗した組になったと思う。初戦のオランダ戦で不運な惜敗を喫してしまうと、勝ち点3を求める焦りが生まれ、勝ち点2でグループリーグ敗退の憂き目もあり得る。 鹿島アントラーズが最終節を勝利で飾り9年ぶりの優勝を決めた。学生時代はスポーツニュースをハシゴして、同じ場面を何度も繰り返し見て感動と喜びに浸ったものだが、中継も視聴できない上に通常のニュースで軽く触れる程度だった。とは言え、ジーコの現役時代からアントラーズの歩みを追ってきた身からすると今回の優勝は格別に嬉しい。川崎フロンターレを常勝軍団に育て上げた鬼木監督の手腕はさすがだし、約3憶5千万円の優勝配分金で有効な補強を行い、ACLを制するほどの圧倒的な戦力を有するメガクラブへの礎を築いてくれることを期待している。

OZM、J2、KJY

 大相撲九州場所千秋楽について。大の里が怪我で休場した。このことで豊昇龍の優勝の可能性は格段に高まった。2敗で並ぶ安青錦が本割の琴櫻戦で負けたら豊昇龍の優勝、勝っても優勝決定戦で豊昇龍が安青錦を下せば豊昇龍の優勝だ。現在3連敗中の相手だが、さすがに横綱が同じ相手に4連敗することはないだろうと思っていたが、そのまさかが起きてしまった。安青錦も贔屓力士の一人なので、彼の初優勝と大関昇進を喜ぶ気持ちはある。しかし、千載一遇の機会を逃してしまい、格下の力士に4連敗という屈辱を想像すると、「豊昇龍は今後優勝できないのでは?若手に追い抜かれる悲哀はスポーツ界でも一般社会でも共通している」という暗澹たる気持ちになる。それでも、戦い続けるのが力士の宿命、来場所の巻き返しに期待したい。 長崎県出身の平戸海の今場所の成績は4勝11敗と振るわなかったが、真っ向勝負を貫いて、若隆景のような相撲の匠さを身につけて、玉鷲や佐田の海のように息の長い力士として活躍してほしい。 J2のJ1への自動昇格争いがとんでもないことになっている。安泰と思われた水戸と長崎が最終節の結果によってプレイオフに回る可能性が出てきた。長崎はアウェイで徳島と対戦する。長崎は引き分け以上で昇格確定、水戸は勝てば自力で昇格確定となる。 物理療法士のKJYさんが来てくれた。パソコンに繋がれたままマッサージを受けたので、短い会話を交わすことができた。今回が最後ではなく、今月中にもう一回来てくれるらしい。12月からはソウルに行って暮らすとのことだ。個人情報なのでその理由を明かすことはできないが、とりあえずは「おめでとうございます」と機械音声で伝えた。   

芸能スポーツ生活アラカルト

先週末から今日まで起こった出来事を書き出してみる。 先週の土曜日に鹿島アントラーズ対横浜FCの試合があって、鹿島が2対1で勝利した。残りのの2試合で連勝すれば、鹿島の9年ぶりの優勝が決まる。中継を見たかったなあ。VPNとDZONに加入すれば視聴できると生成AIが教えてくれた。 J2ではJ1への昇格争いが佳境を迎えている。現在の順位で順当に行くと、水戸と長崎が昇格する。地元の長崎は新スタジアムが弾みになったようだ。水戸は初昇格の重圧を跳ね返すことができるのか? 大相撲九州場所の初日の中継を視聴した。長崎県出身の平戸海は隆の勝に立ち合いでやや押されたが、そこから押し返して寄り切るという見事な相撲で白星を挙げた。「将来、強くなりそう」という期待を抱かせる相撲心を揺さぶる。 NHKのスポーツニュースでBリーグが報道されていた。現時点で首位に立つのはヴェルカ長崎らしい。地元にそんな強いチームがあることもBリーグが人気を博していることも知らなかった。 Netflix 配信のドラマ「ザロイヤルファミリー」が面白い。競馬の馬主を演じる佐藤浩市とその秘書を演じる妻夫木聡の掛け合いを見るだけで楽しい。二人の演技は際立っているし、円熟味を感じる。 愛知県常滑町にオープンした「うお一番」という魚屋が気になる。料亭や回ってない寿司屋に卸される新鮮な高級魚を適正価格で売る店らしい。健康であれば今すぐ行きたいくらいだ。 今日は訪問看護のSUJさんが来てくれて、カニューレを交換してもらった。2週ごとに訪問看護サービスを受けているが、妻も俺も心の拠り所としている頼もしい存在だ。 Netflix 配信のドラマ「Miss King」が面白いとは言えない微妙な出来だ。母を捨てた父に復讐するために将棋の棋士を目指す話だが、原作が悪いせいで将棋ファンにも一般層にもアピールできてないと思う。主演ののが目当てなのと将棋界の発展のために最後まで視聴することになりそうだ。

視聴できないスポーツイベント

先週末はワールドシリーズ、日本シリーズ、ルヴァンカップ決勝、王座戦第五局、ブリーダーズカップ、Rizin 神戸大会、NBA、などのスポーツイベントがあった。順番にそれらの感想を述べる。 三勝三敗で最終戦を迎えた両チーム、この試合の勝敗によって天国と地獄が分かれるスポーツの魅力と残酷さが詰まった真剣勝負、日本人選手三人を擁するドジャースを応援していたが、テレビ視聴するためには二千円払う必要がある。日曜日の午前9時からの中継で、11時からはオンライン礼拝が始まる。「負け試合を視聴するのは嫌だなあ。山本は前日投げたばかりだし、先発投手がブルージェイズの強力打線に打ち込まれてボロ負けしそうだし、途中でチャンネル変えなきゃいけないしなあ」と思って、視聴しなかった。試合結果をニュースで見てビックリ、大谷が先発して三点取られて、奇跡的に追いつき、九回から登坂した山本がゼロに抑え勝利投手になるという、漫画でも出てこない白熱した試合だった。ドジャースが勝って嬉しいけど俺自身は賭けに負けた気分だった。ロバーツ監督はレギュラーシーズンでは投手崩壊で連敗が続き無策ぶりが批判されたが、プレイオフシリーズでは勝負処での的確な采配が光り、チームをワールドシリーズ連覇という偉業に導く名将となった。 柳田、近藤、周東が怪我で戦列を離れるも、若手が育ち年俸総額に見合った成績に帳尻を合わせてきたホークス、藤川新監督の指導の下セ・リーグで独走優勝を飾ったタイガース、両チームの戦いはホークスが制した。残念ながら、この日本シリーズも視聴できなかった。 ルヴァンカップ決勝も視聴できなかった。ニュースで得点シーンだけ見たが、あれだけ勢いのあるロングスローは初めてだし、衝撃だった。コーナーキックより精度が高いし、脅威を与えているように見えた。長身選手が多い北欧の代表チームがワールドカップでロングスローを多用したら、ルール変更になるくらいのインパクトを残しそうだ。 将棋の王座戦五番勝負の第五局、藤井と伊藤の同学年対決を制したのは伊藤、藤井は王座陥落で六冠となり、伊藤は二冠となった。藤井が八冠独占していた頃は「藤井が勝つのが当たり前」という感じで、他の棋士の存在感が薄かったが、今回の結果は藤井の偉業を浮き上がらせると共にライバルの登場を世間に知らしめるという意味で将棋界にとっての朗報だと思う。 世界が注目する競馬の舞台...

球技大会

昨日の福岡の最高気温は30度を超えていた。10月下旬でこの暑さだ。福岡から玄海灘を隔てたここ釜山の我が家の寝室に吹く隙間風は生温かく秋の気配が感じられない。そのせいで、というわけでもないのだが、昨晩は体温調節がうまくいかず一睡もできなかった。そのせいで、パソコンを操作する今現在、目が疲れて一向に作業がはかどらない。そういうわけでシングルカットすることにした。以下は懐古録に収録されてる ゴール列伝から抜粋したもので高校時代の思い出を綴っている。 大村高校では二年生から理系と文系に分割され、その各専攻ごとに成績別でクラス編成がなされる。旧校舎が取り壊され、同じ場所で新校舎の建設が始まるために、仮設のプレハブ校舎で授業を受けた思い出がある。 その頃の俺は全く勉強が手につかなかった。何しろ、部活の柔道の練習がきつかった。高総体で燃え尽きようとする三年生の気合は凄まじく、俺の両耳がレレレのおじさんの様に腫れ上がっても病院で血を抜いた翌日の練習に志願して出ていたほど影響されていた。三年生が引退した後も部活内の最上級生としての責任感から練習で手を抜くことが出来なかった。当時の俺の体重は55Kgで、部活内では最軽量、その俺が80~90Kgもある部員と乱取りをこなすのである。若かりし頃の無尽蔵のスタミナはこの時に培われたのは事実であるが、その代償として、学校の授業時間は常に睡魔との闘いを強いられることになる。 今思い出しても、この時期に何を習ったのか全く思い出せないのである。中間、期末、実力、あらゆる試験で点数は下降線を辿り、中学校までは得意であった国語と英語は悲惨な状態になっていた。 このような状況は俺だけでなく、クラスの誰もが抱えていた倦怠感だった。皆、部活で疲れ果てていたので休憩時間でも会話することもなく、仲良くなることもなく、ただ時間だけが過ぎていった一年だと記憶している。 ところがだ、大村高校の良いところは補習で勉強させるだけでなく、体育大会、文化祭、修学旅行等の行事によって適度な気分転換を促すと共にクラスの連帯感さえも高めてくれるのである。 そのような行事の一つが学期末試験後に実施される球技大会である。運動部に所属する生徒にとっては定期試験の一週間前は部活が休みになるので、心身を癒し、遊び呆ける絶好の機会だったのである。俺もその典型例の一人で勉強そっちのけで球技大会の練習...

ブラジル撃破

2025年10月14日に開催されたサッカーの日本対ブラジルの親善試合で日本が3対2で勝利した。韓国では同じ時間帯に韓国対パラグアイがあるので、日本対ブラジルの中継はない。韓国対パラグアイは韓国が終始圧倒していて2対0で勝利した。日本がやっとこさ引き分けたパラグアイに圧勝するとはやはり永遠のライバルと思って、NHKのニュースに切り替えると「日本、やりました!」の音声が流れた。なんてこった、約30年間、日本代表の試合を観戦して来たのに、この歴史的勝利に立ち会えないなんて。 ブラジルが韓国に5対0で勝利した試合のハイライトを見ると、ゴール前で憎らしいほど冷静で遊び心を持ったブラジルが復活していて「さすが名将アンチェロッティ、日本も虐殺されるかもしれない」と不安に慄いていた。現在の日本代表は主力の三苫、遠藤、守田、板倉、町田、高井が不在で、頼みの久保も足首を負傷していて、万全とは程遠い状況だ。そんな状態でフルパワーのブラジルに勝てるとは露ほども想像できなかった。 日本対ブラジルの前半のスコアは0対2で内容も圧倒されていたらしい。後半は日本のハイプレスが炸裂してラッキーゴールに見える背後には森保監督の戦術と采配があったらしい。サッカーの試合は退屈な試合や期待を裏切ることも多いけど、たまに訪れる輝きに満ちた試合が忘れられないから中毒になるんだよなあ。その内の一回を逃してしまったことへの後悔は尽きない。 カタールでのドイツ戦、スペイン戦、ドイツでのドイツ戦、日本でのブラジル戦、もしかしたら我々ファンが思い描く代表よりも実物は先を進んでいるのかもしれない。俺が生きている間のワールドカップ優勝も夢物語ではなくなってきた。

影山ショック

 10月2日のニュースなんだけど、日本サッカー協会の技術委員長を務める影山雅永氏が機内で児童ポルノ画像を自身のパソコンで閲覧していたところを添乗員に通報され到着地で逮捕され、その後の簡易裁判で有罪の判決が下された。 https://news.yahoo.co.jp/articles/d7536e17afc0c68036037bc7b8acde3f14c66398 同氏に対する非難は上記の記事やコメント欄で語られているし、俺もその非難に同意する立場だ。今回はいくつかの気付きを書いてみる。 1)「影山ってもしかしてジェフ市原で試合に出ていたあの影山?」と思ったが、その通りだった。1993年に創設されたJリーグだが、初期の頃はテレビ中継を凝視して選手全員の名前を記憶するほど集中して視聴していた。当時のジェフはリトバルスキーを中心とした攻撃が魅力のチームだったが、失点も多かった。往年の名選手の名前をこのような形で聞くのは至極残念だ。 2)俺の記憶では、日本のコンビニや本屋でエロ本が子供の目に入る場所に陳列されていた。性に寛容な日本文化は誇るべきことかもしれないが、児童ポルノ禁止法との整合性を鑑みれば制服が出てくるエロ本やどう見ても成人に見えない少女キャラが出てくるエロマンガは世に出すべきではないと思う。 3)「成人ポルノだったら問題なかったのか?」という疑問がある。影山氏が乗っていたのはエアフランスでフランスの法律に基づいて逮捕された。調べてみたら成人ポルノの閲覧と所持が禁止されている国は多い。中国、イラン、UAEがその例だ。つまり、それらの国の航空会社の機内でポルノを閲覧していたら逮捕されるかもしれないし、滞在先に持ち込んだパソコンをガサ入れされることもなくはないということだ。 追伸)YGYさんが見舞いに来てくれた。ありがたいことである。

米国戦の雑感

先日の日本対米国戦は視聴できなかったし、ハイライトしか見ていない。メキシコ戦の先発メンバー総入れ替えで臨んだ米国戦だったが、結果は2対0で、決定的な場面を何度も作られての惨敗だった。負けたら批判されるのは代表チームの宿命だ。実際、ベストメンバーを温存して負けた試合を視聴していたならば「俺の時間を返してくれ」と憤っていただろう。 代表戦をどう捉えるかは議論が分かれるところだ。常に全力で挑むべきというのは正論だが、予選突破が決まった後の消化試合や親善試合のように監督の裁量によって本気度が落ちる試合も少なからず存在するというのが現実だ。ただFIFAランキングが上の国との親善試合での総入れ替えというのは議論が分かれるところだし、前代未聞と言える。 一昔前は「先発メンバーの固定化で補欠メンバーとの間に溝がある」と批判されていた。今回の敗戦は長い目で見たら若手に経験を積ませ代表チームの底上げに繋がるものと信じたい。 本職のセンターバックが荒木だけでサイドバックに適性がある関根と長友で急造スリーバックを組むのは無謀だと思った。

視聴できなかったメキシコ戦の雑感

 昨日はサッカーの日本対メキシコの代表戦がNHK総合で放送されたが、ここではなかった。次男にその試合の視聴方法を尋ねたが、わからずじまいでオンライン礼拝の時間帯とも重なっていたので視聴を諦めることにした。 10分間のハイライト映像しか見てないが、それだけでも本気度の高い緊迫した好ゲームだったことがわかった。しかし、せっかくの日曜午前の地上波放送でスコアレスドローというのはいかがなものだろう。コアとは限らない一般層に史上最強と目される日本代表を印象付ける絶好の機会だったのに「90分視聴してゴール無し」という結果は残念と言う他ない。人々をサッカー沼に導く原動力はゴールの魔力なのだ。いくら良いゲームをしても、それがないともの足りなさを感じてしまうだろう。森保ジャパンが実績の割に人気がないのは、そういう注目を集める時間帯の試合で期待を裏切る結果が多いことと無関係ではないと思う。 最終予選のバーレーン戦での久保と鎌田の連係は特筆すべきものがあった。ダブルボランチの一角を守備力が高いとは言えない鎌田に担わせたのは森保監督の期待の表れだろうし、メキシコのような強豪にも攻撃的布陣で勝ちに行くというメッセージだったと推測している。ケガ人続出のセンターバック陣にも渡辺という売り出し中の新戦力が使える目途が立ったようだし、GKの鈴木も安定感が出てきたようだし、ワールドカップの決勝トーナメントの1回戦を想定した良いシミュレーションになったし、収穫の多いゲームだったと思う、見てないけど。 驚いたのがメキシコの選手のほとんどがメキシコ国内リーグ所属だったことだ。メキシコリーグの水準が高いと聞いてはいたが、ヨーロッパでプレイする選手が少なくてもFIFAランキング13位の座にいるんだということとヨーロッパ並みの年棒が払えるほど国内リーグが潤っているんだという二つの意味で驚いた。Jリーグから海外に流出する選手が多いのは年棒格差があるのが原因の一つに挙げられる。Jリーグもメキシコのように資金力をつけて世界中の名選手が集まるようなリーグになってほしい。 次戦は10日の米国戦だ。韓国に2対0で負けている相手だが、開催国でフィジカルに定評のあるチームだ。視聴できない可能性が高いが、これまでの経験から平日の朝のような視聴率が低そうな時間帯の試合では勝つことが多いので注視したい。

蹴球伝説 1)

 おそらく2010年の秋だったと思う。全国教授蹴球大会に参加した釜山大学教授蹴球会は予選リーグ初日の試合で引き分けた。二日目は午前と午後の二試合がある。午前の試合は強豪校との対戦だ。上位1チームしか決勝トーナメントに進出できないので、俺たちは全力を注いで挑んだ。しかし、敗れた。俺たちは燃え尽きてしまい、脱け殻のような状態だった。午後の相手は2敗で、双方にとって消化試合だった。 大会本部から弁当が支給された。午後の試合は13時からだ。チームメイトは普通に食べていたが、俺は弁当に手をつけなかった。その試合ではそれまでに出場機会がないメンバーが先発し、シニアの主力は外れることが決まっていた。その当時の俺は「釜山大学を冠して出場するということは俺は釜山大学の全教職員の代表なんだ」と暗示をかけて日本代表になった気分を疑似体験するという日本代表ごっこを常にやっていた。そのせいで、失点したときはゴールポストを蹴って悔しがり、敗戦のときは地面に拳を打ちつけて絶望を表現するような行動を普通にやっていた。そのために俺は時としてチーム内で浮いた存在で時としてチームを勝利に導くカリスマのように扱われていた。 午後の試合が始まった。俺のポジションは通常の左サイドではなくセンターハーフだった。二試合を全力で走り回った俺の疲労は限界近くまで来ていた。それでも俺はキックオフ直後から広大なミッドフィールドを駆け回りボール狩りに奔走した。しかし、周りが連動して来ない。無理もない。一度緩んだ空気は簡単には戻らないものだ。しかも満腹で思考も眠ったような状態だ。そのチーム状態を象徴するかのようにオフサイドトラップの掛け損ないで失点してしまう。ここでチームの守備戦術について言及しておく。フォーバックのラインディフェンスなのだが、それを指揮するメンバーが理論先行型で、ラインを上げずに残っているメンバーを叱責する感じのコーチングだった。線審のいない忖度してくれる学生チームとの練習試合では機能したし、公式試合でも強豪校相手にオフサイドの山を作って狼狽させたこともあるが、今回の失点のように簡単にGKとの一対一を作ってしまう脆弱性と隣り合わせだった。俺もセンターバックをやったことがあるのだが、オフサイドでないことを確認して相手チームのフォワードについて行っているのにピッチ外から叱責されたりした。そんなわけで、誰...