投稿

ラベル(中東問題)が付いた投稿を表示しています

イランからの便り

 テヘランの大学が空爆されたというニュースが目に入った。俺のかつての弟子がイランの大学で教鞭を取っていることは以下で触れた。 https://hirasakajuku.blogspot.com/2025/06/blog-post_12.html その後、R君から「第一子が無事に産まれて幸せに暮らしている」という便りが来たイランが最初に空爆されたとき、イランで反政府デモが起きて粛清されたときにメッセージを送り合った。しかし、一ヶ月前から始まった空爆後は連絡できないでいた。その理由は、日本は米国の同盟国で空爆を加担する立場だったこと、R君が反政府か政府寄りかの立場が不明だったこと、以下で触れているように俺の考えも曖昧だったことが相まっていたからだ。 https://hirasakajuku.blogspot.com/2026/03/blog-post.html 更に、この一ヶ月間本欄で大相撲、WBC、将棋、サッカーなどのエンタメを紹介してきたことが「本当に心配なら、そんなことを見る気持ちにならないはずだ」という自己矛盾に陥っていた。冒頭のニュースを見て、衝動的にR君に連絡するに至った。 その翌日、R君から「無事だが、何万人の同胞を殺した政府は………」という複雑な心境が垣間見える返信が来た。 安心した。 自己矛盾は解決してないが、「本当に心配なら笑う気持ちになれない。飯を食う気持ちにもなれない」というわけでもないと思うので今まで通りに綴ることにする。 追伸)前回の投稿の最後の段落が気にいらなかったので以下のように書き直した。 https://hirasakajuku.blogspot.com/2026/03/blog-post_31.html

イランに空爆

 米国とイスラエルがイランを空爆して最高指導者であるハメネイ師を殺害した。ロシアがウクライナ侵攻を開始したときは「明確な国際違反だ」「武力による現状変更を許してはならない」などと国際秩序を守る立場からの発言を繰り返していたのに、実は国際社会というのは暴力団同士の縄張り争いで、「俺たちは警察側だ」というのは錯覚だったことが露わになり、それまでの自分を否定されたような気持ちになる。 そうかと言って、米国を「テロ支援国家と見なす国の指導者をテロで殺害するなんて!」「巻き添いになった民間人の人権はどうなるのか?」と非難することもできない。東京周辺には横田や厚木や横須賀などの米軍基地が集中していて、いじめっこを非難して新たないじめの対象となることを恐れる心理が働くからだ。他の同盟国に歩調を合わせて「イランが核兵器を所有すること容認できない」と言うのが最善の対応だろう。 ベネズエラと同様に空爆を一般市民がどのように受けとめているのか伺い知れない。「圧政に苦しんでいる人々が大多数で、トランプ大統領は彼ら彼女らのヒーローだ」というふうに考えることができたら、どんなに楽な気持ちになるかと思う。 この手のニュースを見るたびに淀んだ気持ちになり筆が鈍る。

弱い者いじめ

 NHKの「国際報道2025」でイスラエルにおけるテレビ局の報道姿勢に関する特集があった。 https://www.web.nhk/tv/an/kokusaihoudou/pl/series-tep-8M689W8RVX 自由主義の国なので、政府寄りのテレビ局もあれば政府に批判的なニュース番組もあるとのことだが、総じて視聴者の世論に従って報道しているという印象を受けた。その世論とは「ホロコーストの時代から我々ユダヤ人は被害者で、危害を加えようとする者は力で叩き潰す」というものだ。おそらく、俺らがNHKスペシャル「サラームの戦場」で見るようなパレスチナ人が泣き叫ぶ映像を視聴するイスラエル人は少数派なのだろう。民主主義国家であるイスラエルではネタニヤフ首相は国民の支持が続く限りいくらでもパレスチナ人を殺せるのだ。 ハマスが人質に取った20人の遺体を返還しないことへの報復でネタニヤフ首相は空爆を命じ100人を超える死者が出た。四万六千人の犠牲者に百が加わってもさして大きなニュースにはならない。それだけ俺らは「誰がどう見てもおかしい、親が犯罪を犯したからその子を殺める、弱い者いじめのような」行為の連続に感覚が麻痺している。 誰かイスラエルとパレスチナの両国民を救い、憎悪の連鎖から解放してくれる人はいないのだろうか?歴史的停戦協議に寄与した人物であれば、恒久的停戦が実現するまで睨みを利かせてほしいと思うし、その能力もあると思う。

技術と資本の融合

 プロジェクションマッピングとは建物や壁面などに複数の投影機から発せられる個々の映像を滑らかになるように貼り合わせる技術だ。7年前に釜山の科学技術館での展示で体験したことがある。そのときは「子供騙しの域は逃れられないが可能性は感じる」という感想を抱いた。 アブダビとはアラブ首長国連邦の首都で、元は海岸沿いの砂漠だったがオイルマネーの後押しで開発が進み現在では世界有数の観光地に発展した。日本の金持ちがアブダビやドバイに行った話をメディアを通して聞いてはいたが、「どうせ成金趣味の人工都市だろう」という偏見を抱いていた。 今朝、NHKプレミアムで放送された「未来と今をつなぐ美術館~アブダビ国家プロジェクションに挑むチームラボ~」という番組では最先端のプロジェクションマッピング技術がアブダビの資本と結びついて新たな美術作品が創造される様子を克明に描いていた。90分の長尺だったが、アブダビの美しく斬新な建造物に彩られた街並みと画面越しでも伝わってくるプロジェクションマッピングの映像美に魅了され、退屈することなく画面を食い入るように見つめて視聴を終えた。 具体的には、多くの柱が据えられた空間に神経を模したような無数の触手が柱を覆っていく映像や水を張った床に銀色のだるま状の風船が無数に浮かんでいて天井からの光が乱反射して幻想的な光景を演出する部屋や無数の光源たちから発せられるレーザーが重なり合い太陽のような円形を作りそれが楕円に変わり再び円に戻る様子を寝そべって鑑賞する部屋が紹介された。別室での小空間で発生させた雲や泡などのライブ映像を投影することもできるし、絵画や彫刻などの古典的美術とは一線を画す新たな美術の可能性を示唆する技術だと思った。これらの展示に子供は興奮してはしゃいでいたし、大人はスマホをかざし撮影していた。技術と資本の融合、成金趣味とは笑えない圧倒的な美の世界が生まれる過程を垣間見た気がした。

仁義なき国際社会

 トランプ大統領がG7の会議の途中で米国に帰国した。ニュースを見る限りでは「そういうこともあるさ」という感じでスルーしていたが、議長国カナダのカーニー首相は心中穏やかではないと想像する。俺なら「いくら中東情勢が緊迫していると言っても、本国に帰ったらどうにかなる問題ではないだろう。米国がいない中でG7の共同声明とかを掲げても意味がないだろう。結局、アイツは途中退席することで米国はG6より強固であることを誇示したかっただけなのだ」と思っていただろう。 イスラエルとイランの戦争は収まる気配がない。ハマスに先制攻撃されたときにはあれほど怒り狂っていたのに自国が先制攻撃するのは問題ないらしい。その後見国は「全面降伏するしかない」と言っているし、G7の共同声明でも片方を非難する文言は出なかった。イランほどの中東の大国の最高指導者でも生存権を脅かされるなんて。 まだ核関連施設への空爆は続いている。濃縮されたウランが爆撃されたらどうなるか? 復讐に燃えるイランが他の核保有国から核兵器を譲り受けることはないのか? 時代が進めば核兵器が簡単に製造できるようになるのでは?などの心配事は尽きない。 国際社会とは法律のない弱肉強食の原始社会であることを再認識した出来事だった。

唖然、心痛

 イスラエルがイランに空爆を行い、イランの司令官を殺害して、核関連施設に被害を与えた。死傷者の数は200人を越えると報道されている。イランは無人機で反撃を試みるも、優れた防空システムを備えるイスラエルの被害は軽微であることが予想される。 この件に関しては情報を集めているが、どれも突発的なイスラエルの行動に戸惑うものばかりで、俺自身も唖然としている状態だ。ただ、心を痛めている。 空爆に対して無力であることが明らかになったイラン、国際社会にイスラエルの非道さを訴えることもしたくないだろうし、陸海空いずれも有効な反撃はできないし、打つ手がない。おそらく、それを見越しての空爆だったのだろう。 ウクライナを侵攻したロシアが国連で非難されて、イスラエルが何の咎めも受けなければ、ダブルスタンダードのそしりを免れることはできないだろうし、無秩序な国際社会が今後も続くのだろう。

留学生の受難

 ハーバード大学の留学生のみならず9月に米国の大学に入学予定の留学生にも動揺が広がっている。 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250528/k10014818481000.html 人権を重視する教育を受けた者であれば、現在のガザ地区の惨状、無防備な民間人が空爆され建物などの私有財産が破壊され住居を奪われ支援物資を差し止められ生命の危機に瀕している状況に心を痛めるのは至極まっとうな反応だと思う。それに対して行動した学生に反ユダヤ主義のレッテルを貼って大学の補助金を停止するだけでなく何の罪もない留学生を苦しめるトランプ政権に強い怒りを覚える。 米国の大学や金融などの先端分野の中枢にいるユダヤ人の何割が上記の政策を支持しているのだろうか?トランプ大統領が反ユダヤ主義という言葉を使うたびにユダヤ人に対する悪感情が蓄積しているのではなかろうか? トランプ氏が大統領に就任してからイスラエルとハマスやロシアとウクライナの停戦に向けて動いたことは良かった。それらが実現したら世界の偉人として称えられ、MAGAが自他ともに認められていただろう。しかし、米国は後見国であってもイスラエルを制御できないし、弱い者いじめに加担していることが明らかになり、旧知の仲だと思っていたウラディミルにも裏切られ、一方的な関税で世界経済を混乱に陥れ、目の敵にしている中国に舐められるような妥協をしたり、夢を抱いて米国にやって来る若者を絞めだしたり、WHOなどの国際機関を機能不全に追い込むなどの政策を見て、「トランプ政権が終わり、米国が国際協調路線に転換したときに他国から再評価され逆説的にMAGAが実現するのではなかろうか」と思うようになった。

命の価値

 1月19日から6週間の停戦合意がイスラエルとハマスによって結ばれた。この期間に人質とイスラエルに収監されているパレスチナ人の解放が段階的に行われるそうだ。釈然としない何かが心の中で渦巻いている。 先ず、ハマスはガザ地区を実効支配しているが、パレスチナ人の民意を代表しているわけではないということだ。2006年に選挙で躍進して政権を取ったハマスだが、その後民意を問う総選挙は実施されてないそうだ。つまり、イスラエルに先制攻撃を仕掛けたハマスに対する報復がパレスチナ人全員に向けられているのだ。 次に、あれだけ空爆と地上侵攻を繰り返しても未だに人質の収容場所が特定できないことに疑問を感じる。諜報員とか捕虜に自白させるとかモサドならお手のものだと思うのだが。 最後に200人の人質は戻って来るかもしれないが、殺された四万六千人は永久に戻って来ないということだ。ガザ地区に住むパレスチナ人は二重の意味で人質になっている。命の価値は同じはずなのに、現実にはこれだけの開きがあるのだ。 追伸)CJR教授が見舞いに来てくれた。ありがたいことである。