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数学の未来

 思っていたより早かった。 https://news.yahoo.co.jp/articles/5054ebb0f827712825e610d37dfa4028f8c0e226 上記の記事はAIが数学の未解決問題を解く時代が到来したことを宣言している。これは数学者にとって由々しき問題だ。 グーグルやウィキペディアが世に出た時、知識の価値が急落した。それまでは物知りは尊敬されていた。質問すると泉のように溢れ出る知識に圧倒されたものだが、今ではスマホがその役割を果たしている。インターネットの情報は正しいとは限らないが、人間も間違うことがある。結局、何を信じるかというと、諸説が閲覧可能で日々更新されるインターネットなのではなかろうか?もし間違っていたら、ネット上で正せばよいだけのことだ。 将棋AIが世に出た時、棋士たちは「この程度か」と左手ウチワだった。その後、スマホを操る初心者に名人が負かされる時代が来た。縁台将棋の最善手は将棋の強い人でなくスマホに聞く方が早いのだ。以前は序盤の研究というとプロにしかできない崇高なものだったが、今ではAIの評価値に従った手順の変化を丸暗記するだけだ。それでもトップクラスの棋士は自動車より遅い短距離走者のような需要があると思うが、それ以外の棋士の価値は暴落した。 数学界にも似たような事例が起こるだろう。例えば、数学者が何十年かけても解けなかった問題がAIに長けた小学生が解いたなんてことが普通に起こりそうだ。そうなったら数学者の評価にも変化が出てくるだろう。これから数学者を目指そうとする若者にとって難しい時代になったと思う。

決戦は日曜日

 棋王戦五番勝負第五局の藤井聡太棋王対増田康宏八段の生中継を視聴している。素人目には馬を作っている後手の増田八段が有利のように見えるが、AIによる形勢評価は藤井棋王の有利を示している。手数が進むごとに藤井棋王の優位が拡大し、「ここまで来たら藤井棋王が勝ちを逃すことはないだろう」という局面に差し掛かった。結局、藤井棋王の圧勝で棋王戦四連覇を達成した。土壇場での勝利は「藤井聡太が飛び抜けた存在である」ことを改めて印象付けた。 話題は変わって、サッカー日本代表がスコットランド代表に1対0で勝利した。三日後のイングランド代表戦を見据えての主力を温存した先発メンバー、敵地グラスゴーでの試合、負傷者続出でベストメンバーが組めない日本代表、などの悪条件が重なっていて、ボロ負けすることもあり得ると予想していたが、後半から主力を投入して勝ち切ったことは大きいし、弱かった時代の日本代表を知る者として隔世の感がある。 コメント欄に「大学院生時代の俺を記憶している」という投稿があった。光栄なことだし、身が引き締まる思いだ。俺の名前を覚えていることも、そこからどうやって本ホームページに到達したのかも気になるところだ。こういう偶然の出会いがあると、「インターネットは時代を超えて全世界に繋がっているんだなあ」と思う。

今週の将棋界

 将棋界の最近の話題をまとめてみた。 1)王将戦第七局を藤井が制し、王将位五連覇を達成した。藤井は一勝三敗からの三連勝で逆転防衛を果たした。俺は、藤井の絶対王者としての底力を期待しつつも、藤井に跳ね返され続ける対戦相手の永瀬を応援していた。そもそも、持ち時間の多い二日制の対局で藤井に三勝している時点で称賛に値するのだが、負けた永瀬には何も残らない。しかし、そんなことで挫けたりしないのが永瀬の魅力だ。いつの日か、雨滴が岩を砕く瞬間が訪れることを期待している。二人とも独身だが、今後の色恋沙汰を含めた私生活がどうなるかも気になる。 2)今日は福間香奈の棋士編入試験五番勝負第三局の生中継を観戦している。将棋の棋士になるには、奨励会に入り、各段位のリーグを勝ち上がり、26歳までに三段リーグの上位2名に入ることが求められる。その例外として、棋士との公式対局で六割五分以上の成績を残す等の好成績を修めた者に与えられる救済措置が棋士編入試験である。その試験官が四段の若手棋士なのだが、彼らは忖度をして手を抜かないし、熾烈な三段リーグを勝ち抜いた者だけあって、未来のA級棋士がいる可能性が高い実力者揃いだ。福間が公式戦で戦う棋士たちより強い試験官に六割以上の成績を残すことが求められるのが棋士編入試験なのだ。福間はこの対局で敗れ、不合格となった。福間の再挑戦に期待している。 3)3月29日に棋王戦五番勝負最終局が藤井と増田で争われる。 https://abema.tv/now-on-air/shogi 上記のサイトで生中継されるので要チェックだ。

王将戦

将棋の王将戦七番勝負第四局で挑戦者の永瀬九段が藤井王将を破り、三勝一敗になってあと一勝で王将位獲得まで迫った。俺にとっては衝撃のニュースだ。その理由を順を追って語ろう。 永瀬は将棋に一生を捧げていると言っても過言ではないほど将棋の研究に自由時間のほとんど全てを費やす日々を送っている。藤井とは練習将棋で切磋琢磨し合う仲で、藤井が八冠独占を達成する過程で時にはタイトルを防衛する立場で時には挑戦者の立場で藤井と番勝負を争い、その全てで藤井に負け続けていた。 藤井の対局は動画化されていて、一局の流れがわかるようになっている。永瀬は中盤まで優勢を維持するも、藤井の終盤力に逆転を許すことがあまりにも多く、「それらが五分の星でもタイトルが取れただろうに」と思わせるほどもったいない負け方をしていた。俺は「タイトル戦で藤井に負かされ続けても不屈の闘志でタイトル戦の挑戦者として勝ち上がる」永瀬を応援するようになった。 今回の永瀬の三勝は「藤井が驚異の終盤力を発揮する余裕すら与えない」完勝ばかりだった。しかも藤井が得意としてきた角換わりでの研究で上回っての勝利だ。研究結果に誘導されても、対局中の考慮時間で打開策を見出すのが藤井の強さだったが、今回はそれが現れない。ファン心理というのは微妙なもので、「永瀬の努力が報われる日が来てほしい」と思う一方で「いつものように完全無欠の藤井を見たい」という気持ちが交錯している。

藤井と永瀬の名勝負

 昨日、将棋名人戦第一局を観戦した。名人位に君臨する藤井聡太が挑戦者である永瀬拓矢を迎え撃つ一番だ。名人戦は二日制で昨日は二日目だ。観戦を始めたのは14時、この時、局面は終盤を迎えていて、AIによる評価は藤井優勢を示していた。 大盤解説でも藤井優勢を裏付ける手順が示されていて、藤井の残りの考慮時間は2時間、藤井の勝利は盤石のように見えた。しかし、永瀬は指さない。残りの考慮時間を費やして逆転の一手を探していた。「往生際が悪い」と思いつつも、これまでの永瀬の将棋道を極めようとする禁欲的な逸話の数々を知る者として「このクソ粘りこそが永瀬の真骨頂」と永瀬に感情移入し応援する気持ちが生じた。ただし解説陣は手が一向に進まないので話題に苦労しているように見えた。 熟考の末、永瀬が指したのは歩か銀で取られる位置に桂馬を打つという勝負手だった。今度は藤井が指さない。夕食休憩を挟んでの長考の後指したのが桂馬を銀で取る手だった。なんとそれ以外の守り方であれば永瀬優勢に逆転していたらしい。つまり、永瀬はいたずらに時間を費やしていたのではなく、巧妙な罠を編み出していたし、藤井はその罠に関する変化手順の全てを読んでいたのだ。それに対する永瀬の応手は歩で銀を取る自然な手だった。 クライマックスはここから始まる。藤井は捨て駒の桂馬を打つ。永瀬の考慮時間は5分しか残っていない。永瀬は藤井が打った桂馬を取る。AIの評価値はそのままだ。詰みがある場合、AIの評価値は99になる。そうならないということは詰みがないということかと思っていたが、さにあらず、なんと藤井はAIより早く35手詰めを読み切っていたのだ。恐ろしいまでの終盤力を発揮した藤井が第一局を制した。またしても引き立て役に回ってしまった永瀬だが、少なくとも俺は応援しているし、藤井からタイトルを奪う日が来るのを信じている。

将棋放浪記の勧め

俺は毎日のように将棋の勉強をしている。実際に対局するのは物理的に不可能だ。それではインターネット対局をすればいいと思いがちだが話はそう単純ではない。ネット上で駒を動かすとき、動かしたい駒をクリックして動かしたい位置をクリックすることになる。この一連の動作を俺のパソコンに搭載された視線入力で実行すると30秒以上の時間がかかる。しかも次の一手を考えようと画面上の盤面を見つめると視線入力が作動してしまい画面中央に見つめた部分の拡大が広がって思考が中断される。ネット対局の持ち時間は様々だが、30分の持ち時間であってもその大半が駒の移動に費やされるので圧倒的に不利なのだ。要するに今の視線入力装置はネットゲームとの相性が非常に悪いということだ。 では、どうやって勉強しているかというと、次のYouTubeチャンネルを視聴している。 https://www.youtube.com/@shogihoroki このチャンネルのタイトルは「将棋放浪記」で、プロ棋士である藤森哲也五段が将棋ウォーズという将棋対戦サイトで無作為に選ばれた相手と対局する仕様となっている。しかも、対局の最中に詳細な解説が入る。プロ棋士の将棋の見方を知れるだけでもありがたいのだが、藤森ワールドというべき遊び心満載の抱腹絶倒解説は聞いているだけで勉強になるし、飽きさせない。 藤森五段も「視聴するだけで初段になる」ことを目標に掲げていて、俺の場合は序盤の力が格段に上がったのと中盤以降の意識改革も図れた。惜しむらくは上昇した実力を試す場がないことだ。

聞け、羽生会長!

 史上最強と謳われ、圧倒的な強さを誇る藤井聡太七冠の年間賞金総額はわずか1億7千5百万円だそうだ。これはあまりにも低い数字だ。彼以外の棋士は更に低い。棋士全体の平均年収は八百万円前後らしい。一年で4人という狭き門を通過したエリート集団の年収が羽振りのいいサラリーマン並みとは。にわかには信じがたい現実がそこにある。これは運営団体である日本将棋連盟の互助会的体質を起因とする怠慢に他ならない。藤井聡太というスーパースターの誕生は将棋界に測りしれない好影響をもたらしたはずだ。その千載一遇のチャンスを営業面において全く活かせてないのが将棋連盟の現状である。そのことを踏まえて次の改革案を提示する。 1)従来のスポンサーとのしがらみのない経営のプロを理事に招き入れ、大鉈を振るってもらう。具体的には斜陽産業である新聞社と決別し、IT業界で新規スポンサーを探す。スポンサー料が従来のものと同額ならば引き手数多だろう。 2)野球やサッカーなどのプロスポーツに比べ将棋は試合時間が長いし集客力も少ない。各棋戦のほとんど全ての対局は衆目に触れず、従ってなんの利益も産み出さない。ビデオゲーム大会が高額な賞金を準備できるのは莫大な視聴者がいるからこそである。将棋界もそれを目指して変わるべきだろう。具体的には週末ごとに2時間の生放送番組を制作する。それは将棋の早指し対局をショーアップしたもので、煽り動画を用いた告知の徹底、対局者の入場を演出、大盤解説の司会に芸能人を起用してAI評価値を開示する権限を与える、前座には芸能人同士の対局、ディナーショーのように円卓に着飾った男女に一流シェフによるディナーを提供してグルメ番組的要素も追加、とにかくエンタメ要素てんこ盛りで一局の将棋の価値を上げていく。そうすると、マスコミが注目して棋士の知名度も上がり利益を産み出すようになるだろう。 3)ゴルフのツアーのように地方のスポンサーを募ってアマもプロも参加できるオープン将棋大会を週ごとに開催する。異なる場所での同時開催を避け注目を集中させる。年度始めに八大棋戦の予選を行い、予選通過者の人数を30人前後に絞り込み、各棋戦の対局料費用を削減。その予選で脱落した棋士たちが地方ツアーに参加する。プロと公式戦で対局したいと思うアマの腕自慢や指導対局気分で参加する人も多いだろう。つまり、プロが参加するというだけでアマ...