チューブ外出

 今日の午後、外出した。同伴者は妻と長男だ。青空に浮かぶ白い雲が変化に富んでいる。空が高く見えるのは空気が澄んでいるからだろうか。日差しは強いが、暑さは感じない。長男は半ズボンでサマーセーターという出で立ちだ。10月というのに暖かい。自分が経験した季節感と現実の気候にはズレがある。

区庁前の公園で日光浴をした。その間に長男は飲み物を買いに行った。韓国伝統の楽器の演奏が聞こえた。見物しようと近づくと、彼らは庁舎の中に入って行き、演奏の音も止んだ。引き返して妻がくるりの「Remember me」をYoutube再生した。妻は「次の曲を決めてね」とルール設定した。俺は玉置浩二の「メロディー」を選んだ。長男が戻ってきた。俺が長男に推薦曲を促すと、長男は自らのスマホで再生し俺の腹の上に置いた。その曲は耳覚えのないピアノ演奏で、長男は「アラベスク」と言っていた。

いつものように消防車の前を抜け、川沿いに家に向かった。その途中、愛犬を散歩中の見知らぬオジサンが妻に話しかけてきた。彼は俺の病気について質問を繰り返し、俺の腕をさすりながら「自分も原因不明の病気で苦しんだ時期があった」と言った。彼は励ましと心配の言葉をかけて去っていった。

自宅に帰り、車椅子から寝台へ移乗しようとするとき、人工呼吸器の警告音が鳴り響き、空気が漏れる音と共に鳴り続けた。俺は「チューブが外れただけだろう」と思っていたが、顔面蒼白となった妻は人工呼吸器の会社に電話させて、原因を尋ねるのと手動の呼吸器に切り替えるのに必死で、なかなか警告音は収まらない。そのうち誰かが車椅子に固定したチューブの一端が外れているのに気付いて事無きを得た。

ユーチューブに始まり、チューブに終わり、心配が身に沁みる小旅行だった。

コメント

  1. 前もチューブが外れた事がありましたが、今度は機械から音が出るのでこれは非常事態だと思いかなり驚きました。
    ただし、いつもアンブバッグ(手動式)を持って出かけるので良かったと思いました。
    使い方も常に練習していて良かったです。
    事態後偶然測った心拍数は120を超えてなかなか戻りませんでした。

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  2. 24時間態勢で深夜でも週末でもいつも相談電話に対応してくれる呼吸器の会社の方々に感謝を申し上げます。

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