京都ALS患者嘱託殺人事件 1)
「京都ALS患者嘱託殺人事件」という映画が10月31日に公開される。俺とこの映画との関わりを数回に分けて紹介しようと思う。
2019年にそれまで手付かずだったツイッター(現、X)を再開した。その目的はALSに関する情報収集とALS患者からの生の声を聞くことだ。その頃の俺は胃瘻も人工呼吸器も装着しておらず、電動車椅子で動き回り、普通に食事ができたし、言葉を発することもできた。今と比べたら遥かに健常者に近い状態だ。それだから余計に自分の未来像でもある他のALS患者の動向が気になった。その一方で自分の未来を直視したくないという感情が同居していた。
ツイッターの検索窓で「ALS」を打ち込むと、ALS患者でつぶやいている人がズラリと表示される。その中で最も毒を吐いていたのが以下のtangoleoさんだった。
彼女は「今すぐ死にたい」と公言し、安楽死の方法を探していた。ヘルパーへの不満をつぶやき、思い通りにならない環境と自らの体を嘆いていた。それを読んだ俺は「毒を吐くことで精神のバランスを保つ人もいるからな。字面通りに受け取るのは考えものだ」と冷めた見方をしていた。彼女が栄養失調で死ぬ方法についてツイートした時、俺が「自分の未来を見ているようだ」と返すと、「人により随分進み方が違うので 参考程度に、なぜか他の患者さんには治る希望を持って欲しいと思う。勝手なものですね」と返信が来た。それからというもの、「もしかして彼女のツイートは嘘偽りのない本心なのかも」という半信半疑の気持ちで彼女のツイートを追い続けた。
ところが11月を境に彼女のツイートが途絶えた。こちらからツイートを送っても返信はなかった。ずいぶん後になってから彼女の本名が林優里で、この映画のタイトルのように2名の医師に安楽死を依頼して亡くなったことを知った。あれから7年の時が流れて、彼女は映画のセリフがない主人公として描かれている。
コメント
コメントを投稿