訪問施術

 物理療法士のJSYさんが来られた。妻が施術の間中、JSYさんと話していた。聞き上手のJSYさんを前に俺が何も言えないのをいいことに妻は俺の元カノの話をし始めた。俺は妻の暴走を止められず、両目を瞑り抗議の意を表明すると共に恥ずかしさに耐えた。日頃妻の言動を本欄で公開していることへの報復なのかもしれない。

施術は一時間にも及び、その間に俺は自分の体のことを考えていた。以下でそれらを列挙する。

1)今年から座ってテレビを見る回数と時間が増えた。夏場は半ズボンで布団無しで座っている。すると、膝周りの筋肉が痙攣している様子がよく見える。それは前触れなく始まり、連続する。長いときは1分ほど続く。痛みはないが、筋肉が削ぎ落とされる予兆を見るようで不気味だ。そのうちアヒルが押せないほど筋萎縮が進行するのだろう。アヒルに代わる呼び出し装置が求められる。

2)寝ている時に左の肩甲骨周りの筋肉が大きく痙攣する。眠りにつく前によく起きる。睡眠中には起こらないのは幸いだ。

3)右手の指は折れ曲がり、左手の指は伸びている。施術で右手を伸ばしたり、左手を曲げたりすると安心する。

4)朝の情報番組で耳かきを頻繁にするのは聴力に悪影響があると言っていた。耳かき命の俺はその説に賛同できないが、耳かきをしないで何日間我慢できるかに挑戦しようと思い立った。今日で3日目だ。

5)耳の後ろをタオルでこすってもらうのは至福だ。先日、長女に顔を拭いてもらった。長女はありったけの力で耳の後ろをこする。それが気持ちいいのだが、その日は出血してしまった。耳の付け根の傷口からバイ菌が入り、両耳がレレレのおじさん並みに腫れてしまった経験を持つ俺はその日から長女に「顔を拭いて」と頼めなくなった。

6)以前は隣の部屋にいる人に聞こえるほどの音量を誇った歯ぎしりが鳴らなくなった。座っている時はアヒルが押せないので、歯ぎしりが唯一の通信手段となる。歯ぎしりが鳴らないと真横にいても気付いてもらえないし、素通りされることが多い。


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