花火大会

 昨日は大村で花火大会が開催されたそうだ。我が故郷の夏の風物詩として何十年も前から続いている行事だ。その始まりを生成AIに尋ねることもできるが、敢えてそうしないでおく。俺が最後に大村の花火大会を間近で見たのは2019年だ。あの頃の俺は電動車椅子で自由自在に動き回ることができたし、会話も食事もできた。あの夜は弟の奥様のSさんの実家で食事をとり、すぐ近くの浜辺で仰向けに寝て大村湾に打ち上げられる花火を見た。

俺は轟音と共に視界全体に広がる花火を期待していた。それは幼い頃に大村小学校の近くにある母の実家で見た花火の記憶に起因している。子供心に「燃え屑が落ちて来たらどうしよう?」と心配するほどド迫力の光景だった。しかし、2019年に見たものは明らかに違っていた。打ち上げ場所が変わったからなのか、俺が大人になったからなのか、定かではないが、「より海に近い特等席とも言える場所で見ているのに何でだろう?」という違和感が拭えなかった。

2020年はコロナ禍の影響で中止になった。しかし、打ち上げ場所を公開せずにゲリラ的に花火が打ち上げられると聞いていた。その夏、古くからの友達であるMNHの厚意で彼の妹で平坂塾の講師であるYさんと俺の三家族で平戸に日帰り旅行することになった。その帰り道で、大村湾を隔てた大村市上空に上がる花火を見た。小さいながらもコロナ禍の何でも自粛の暗黒時代に希望の光をともす印象的な花火だった。

思えば、2019年も「最高の花火大会を見せてやろう」とSさんとその御両親が俺の家族に最大限の配慮をしてくれたのだった。俺と妻はその気遣いに感動して最高の花火大会を楽しんだのだった。

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