アルゼンチン対カーボベルデ
北中米ワールドカップのアルゼンチン対カーボベルデの試合を次男と観戦した。メッシを擁するアルゼンチンをイチゴが乗ったショートケーキに喩えた記事があった。
https://sportiva.shueisha.co.jp/clm/football/wfootball/2026/06/24/post_62/?page=2
記事の内容に異論はないのだが、「その喩えはちょっと違うんじゃない」と思った。その理由はイチゴはメロン等の果物に代替できるし、「イチゴのショートケーキ」というカテゴリーでイチゴが不可欠なのは当たり前だからだ。その記事が言いたいことは「メッシは特別な存在で、残りのメンバーが走ることでワールドカップでの優勝という最高の成果を成し遂げた」ということだ。
そんな王様の振る舞いを見たいと思い観戦していたが、カーボベルデの健闘に目を奪われた。先ず、守備ラインが揃った組織的な守備ができている。優勝国だからと言ってあたふたするのではなく落ち着いて攻撃を跳ね返していた。攻撃時は抑制が効いていて、守備のバランスを崩さないことが徹底されているように見えた。アルゼンチンは一方的に攻め込むが、ゴールには至らない。メッシだけが歩いているからよく目立つ。油断してテレビ画面をぼんやり眺めていると、アナウンサーの絶叫が聞こえた。どうやらメッシが先制点を挙げたらしい。リプレイを見て鳥肌が立った。守備ラインの裏に「そんなに速く走れるのか!?」という速度で抜け出したメッシは斜め後方からのクロスをいとも簡単にトラップして左足を振り切った。ボールはGKの手が届かないゴール上方に突き刺さった。もはや、イチゴのショートケーキどころではないぞ。すき焼きの牛肉、いや、鰻丼のウナギと言っても良いんじゃないか?それほど超越したゴールだった。
後半に入ると、アルゼンチンの守備が余裕を持ちすぎてカーボベルデの攻勢が始まった。なんと唯一のチャンスを得点に結びつけたのだ。アルゼンチンも反撃し、メッシも決定的なチャンスを迎えるが、GKの好守で得点には至らない。前回大会の覇者に延長戦まで持ち込める国がどれほどあるだろうか? 少なくともアジアの国々は全滅だろう。そんな偉業を人口60万人の初出場国がやってのけたのだ。
延長戦に入ってもカーボベルデの快進撃は続く。2点目を決めて「これで勝負あり」と思っていそうなアルゼンチンに猛攻を仕掛け、威力と軌道共に見事なシュートを決め同点に追いつく。メッシのコーナーキックを押し込んで3対2になった後のカーボベルデの反撃も「よくスタミナが残っていたな。アルゼンチンはたじたじだぞ。一波乱起こってもおかしくない」と思うほど鬼気迫るものがあった。次男はメッシのファンなので終始アルゼンチンを応援していたが、俺は途中からカーボベルデに拍手喝采を送っていた。心は複雑だ。人口1億2千万人の日本が努力を積み上げても、人口60万人の小国に実績負けるなんて想像もしなかった。これが天から授かった才能の差なのだろうか?
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