秋夕の訪問者

 今日の午前11時にCEK博士とESJ博士が見舞いに来てくれた。ありがたいことである。

CEK博士は俺が7番目に学位授与の判子を押した学生だ。学位取得後、研究費を得ながらポスドク生活を送るも、今年の5月に研究活動を辞める決断をする。原則的に学位取得後は独力で就職活動するものだが、実際は指導教授の政治力や人脈が微妙に作用して就職の後押しをするものだ。俺がALSに罹患してから俺の指導学生たちは文字通り独力での就職活動を強いられてきた。仮にALSに罹患していなかったとしても、政治力も人脈もない俺の影響力は微々たるものだっただろう。韓国では少子化が急激に進み、大学の統廃合が加速すると予想されている。それに伴い大学教員の数も減少していく。海外留学組やソウル大学を始めとするエリート校からの卒業生でも苦労している現状を見て、数学を辞めるという決断に至ったと推察する。就職活動の後押しができなかったことが悔やまれる。CEK博士がわざわざ来てくれて明るい表情で近況を伝えてくれたのがせめてもの救いだ。

ESJ博士は兵役問題が長引いて釜山大学で煮え切らない日々を送った後、日本に渡り、横浜国立大学で学位取得後、日本の企業に就職した。彼は成人病予備軍で、俺は釜山大学時代から彼の健康と一向に改善しない食生活を本気で心配していた。彼は学位取得と就職の合間に腎臓移植手術を受けた。術後の経過は良好で、日本で働いて韓国の病院で定期検診を受けているという話を聞く限り、元気にやっているのだろう。説教臭くなるのを承知で書くが、歩ける、話せる、食べれる、という能力は当たり前に備わっているのではなく、ある日突然失われることもあると肝に銘じて、日々感謝しながら、保全するべきものだ。彼には健康の重要さを噛み締めてほしいと切に願う。

妻が「食事の用意をしようか?」という誘いを固辞して二人は午後3時半に席を立ち、「また、来てくれ」という言葉と共に解散となった。

コメント

  1. I was so happy to visit you and talk with you. I am so happy right with my present life, so no worries! I wish you are happy and healthy!

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