素通りされる現代史
歴史の授業で現代史は軽く流されることが多い。俺が受けた歴史の授業はそうだった。受験で出題されることは稀、教師の中立性を担保できない、時間が足りない、等が理由だと思われる。しかし、義務教育で現代史を学ぶ機会を与えないというのもおかしな話だと思う。むしろ、第二次世界大戦からの流れを重点的に教える、というより事実関係を知るべきだと思う。もちろん、興味を持ったら自ら学べば良いし、資料も自由に閲覧できるが、歴史の教員が判で押したような行動を取ることにある種の不気味さを感じる。
第二次世界大戦が起こった理由は、軍事、外交、科学技術、経済、思想、宗教などの観点ごとに様々な立場からの様々な解釈があり、それらが複雑に絡み合って形成されている。それだけで一年分の歴史の授業が終わってしまうほどの分量になる。教える時間が足りないというのはもっともらしい理由に聞こえるが、受験に出題されないとか、なんか国家が戦前戦後の諸問題に背を向けている、もしくは国民に背を向けさせているように見えて、嫌な感じがする。
長崎県の小中学校の登校日は原爆が投下された8月9日で、その日は平和教育の時間で原爆の被害の大きさや悲惨さを映画や被曝者の証言から学ぶ。これは重要な伝承で日本が再び加害国にならないためのストッパーの役割を果たしている。しかし、再び被害国にならないための教育にはなり得ているようには見えない。
話の流れ的には再び被害国にならないために現代史に正対する教育を導入して前段落冒頭で述べた総合的な思考力を養うべきと結論付けるのだが、いかんせん、現行の教育で戦後80年間平和を享受できたという実績があるからなあ。それはもしかして現代史を教えて来なかったからなのかもしれない。
貢さんも講義していたらいろんな立場の人のこと考えていたら刺激的な授業ができないと思うけど、現代史は中立な授業をしようと思ったら事実だけを教えるつまらない授業になりそう
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