大相撲三月場所プレビュー
大相撲三月場所が明日初日を迎える。俺が大相撲に興味を持ったのは北の海の全盛期だ。組み止めて寄り切りで勝つ取り口は相撲の王道だが、子供の俺の目には退屈に映ったし、「憎たらしいほど強い」という表現がぴったりの横綱だった。その次に興味を持ったのが千代の富士だ。きっかけは貢という名前だ。小さな体で大きな力士を投げ飛ばす取り口に自分の願望を重ね合わせた。曙、若乃花、貴乃花、武蔵丸の時代は横綱とそれ以外の力士に厳然たる壁があり、金星の頻度も低かった。朝青龍は素行が悪いとマスコミに叩かれたが、無邪気で相撲一途な人柄と闘志溢れる取り口が魅力の横綱だった。白鵬は俺の肉眼で捉えた唯一の横綱で、とにかくデカかった。
さて、今場所の見所をいくつか挙げてみよう。
1)横綱に昇進したばかりの豊昇龍は初日に阿炎という難敵を迎える。この一番に勝って波に乗りたいが、阿炎は立ち合いの変化もやってのける力士だ。そんなことをあれこれ考えるようになると阿炎の術中にハマるだろう。
2)一時期の勢いに翳りが見られる大の里だが、体格と当たりの強さは群を抜いている。普通にやれば優勝争いできる力士。
3)長崎県出身の唯一の幕内力士である平戸海は負け越しが続いている。しかし、この人は負けても将来に繋がる相撲を取り続けているので、いつか這い上がってくるだろう。
4)先場所横綱昇進を期待されながらも負け越してしまった琴櫻は今場所も負け越せば大関陥落となる。あの無類の強さを誇った霧島でさえちょっとしたボタンのかけ違いで大関の地位を失った。琴櫻にとって正に正念場である。
5)先場所に優勝争いを演じた王鵬は関脇に昇進した。この人はゆっくりでも確実に強くなっている。今場所は勝ち越して三役定着を狙いたい。
6)先場所に優勝を逃した金峰山は体格にも恵まれ、横綱を狙える大器と目されてきた。本当に覚醒したかどうかは初日の平戸海戦で試される。
7)昨年、新入幕で優勝を飾った尊富士は立ち合いでの速攻を武器にする力士だ。盛り上がった僧帽筋を見るだけで期待が高まる。今場所優勝したとしても俺は驚かないだろう。
8)安青錦は新入幕を果たしたウクライナ出身の力士だ。俺も外国人として暮らしてきたから、異国からやってきて日本語を話しまわしを締めちょんまげをゆう力士は無条件に応援したくなる。どんな相撲を見せてくれるのか楽しみだ。
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