弟と会話してみた!

 


昨日、俺の弟が家族総出で見舞いに来てくれた。ありがたいことである。以前はできなかった会話も視線入力のおかげで形を成すようになった。いくつかの会話を紹介しよう。

1)「明日の計画は?」「何もない。行き当たりばったり。ガイドブックには海雲台がお勧めと書いてある」「俺のブログ、ちゃんと読めよ」「いや、読んだけど頭に入ってなかった」

2)「お前の営業力でブログの読者を増やしてくれ」「最近、営業成績、悪くてさ」「以前のやつは今月末で閉鎖になる」「人に紹介するときのキーワードは?以前のやつは平坂塾で一発だったのに」「………」

3)弟の息子と娘も将来の夢を語ってくれたが、ここでは言えない。弟の妻とは介護の話で盛り上がり、昨日の投稿に繋がった。

4)弟の息子は高校時代の県大会でハットトリックを記録し、エースとして大村高校をベスト8まで導いた。しかし、大学に進学してからサッカーと距離を置いているそうだ。以下は闘病記からのシングルカットである。



俺には大村に住む五歳下の弟がいて、弟には中2の息子がいる。その子は小学生の時からサッカーをやっていて、左サイドを主戦場とする走力に優れた選手だと聞いていた。伝聞形を用いたのはその子が出ている試合を一度も見たことが無かったからである。その理由は中総体が終わる六月まで先発の座を勝ち取れなかった事と十月に膝の手術で入院したことに起因する。

今回は大村市の中学校が県大会への切符を賭けて総当たりで競う新人戦で、今日は二試合が古賀島サッカー場で行われるとのこと。スポーツ観戦なんて時間の無駄としか思わない妻にあの手この手を使って頼み込み、15時20分からの第二試合の観戦にこぎつけた。

と言っても、到着して相手側ゴールに最も近い観客席に陣取ったのは前半終了間際だった。甥の背番号は9番でワントップを務めている。すなわち、俺と同じ名字の子が点取り屋という花形ポジションにいるのだ。これは応援にも熱がこもると言うものだと思っていたら、自チーム10番の豪快なミドルシュートがポストに当たってゴールに入り先制に成功した。

後半は前半とは反対側の位置に移動、カムコーダーを構える弟嫁とも合流した。弟嫁は部活動を支援する父兄として午前中から運営に参加している。弟夫婦は9番にボールが渡る度に興奮を隠せない声援を送っている。俺もそうしたいのはやまやまであるがALSという病気がそれを許さない。

9番の特徴は守備を置き去りにする5mのスプリント力と守備とGKの間の空間にボールを置けるセンスにある。しかし、ストライカーとしての経験が足りないせいかGKが反応しやすい正直なコースに打つ傾向がある。それさえ克服できればアンリのようにゴールを量産できるのにと思っていた矢先、試合終了間際、9番に絶好のセンタリングが供給されGKとの一対一を迎える。

案の定というべきか、9番のシュートはGKに当たってしまう。そして、その跳ね返りに反応してゴールに押し込んだのも9番だった。その瞬間、弟夫婦が半狂乱になったのは言うまでもない。弟は
「兄ちゃんにゴールを見せれてよかった」と言い、弟嫁は
「貢さん、来たから取れたのかも。何で第一試合目から来んかったとですか?」と言い、妻は車内で昼寝をしている長女が気になって席を外しており、帰って来てから、
「私、夫のゴールも見たことないんですよ」と言った。

ゴールは全てではないが多くの人々に幸福をもたらし、欠点や失敗を覆い隠す力を秘めている。

土曜日の今夜、弟宅では祝杯が挙げられたことだろう。健康だったら俺もお邪魔していたところだ。


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