103万円の壁について



昨年末の視線入力時代で「103万円の壁」について書いた。来年度の予算は与党案に維新が賛成する形で成立する見通しだ。今日はその記事をシングルカットする。 


103万円の壁を巡っての自民、公明、国民民主の三党の攻防を見て、大相撲の貴景勝と熱海富士が千秋楽で優勝をかけて戦った取り組みを思い出した。真っ向勝負を期待していた観客を裏切るかのように大関で先輩でもある貴景勝が立ち合いで変化して勝利した。その中継の解説者は「変化について行けない熱海富士が悪い」と前置きした上で「大関は優勝と引き換えに大切な何かを失ってしまった」と貴景勝を酷評していた。


壁は123万円に引き上げられたが、三党合意の「178万円を目指す」には程遠い上げ幅だ。国民民主が来年度予算案への協力撤回を盾に抗議するも教育費無償化を予算案に盛り込むことを条件に協力を申し出た維新の横槍で三党合意は骨抜きになりそうな勢いだ。

壁の引き上げは単なる減税ではなく人手不足を解消し最低賃金や物価の上昇幅に見合う所得の引き上げを狙った経済対策で、国民の期待も高まっていた。それに冷水を浴びせるような与党の決定が残念でならない。たとえ赤字国債を刷ることになろうと大衆迎合と揶揄されても国民民主の一人勝ちであっても、与党には「国民が動けば政治は変わる」という夢を見せて欲しかった。


予算と引き換えに失った大切な何かの代償は来年の国政選挙に反映されるだろう。


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