九州の女

 九州は男尊女卑が根強く残っているらしい。日本の他地域に住んだことがないので比較できないし、時代と共に変化するものなので 一概には言えないが、俺の体験に限って言えば、確かにその傾向はあるように思われる。


例えば、俺にとって正月はおせち料理をたらふく食べて、炬燵に寝そべりテレビを見て過ごすのが定番だった。その間、母と祖母は料理の準備、配膳、片付け、皿洗いに追われていたはずだ。ところが、俺、弟、父は何の感謝もなく当たり前のようにその待遇を享受していた。小学生のときは、フォークダンスで女子の手を握るのが嫌で小指同士で手を繋いでいたし、女子に邪険な態度を取るのがかっこいいという謎の文化があった。これを真に受けた俺は「お前ん家、鏡ないだろ。お前のブス顔が映ったら鏡が割れるからな」みたいなことを同級生の女子に言っていた。思春期になってからは別世界の住人という感じで、男尊女卑という概念は消え去った。


よく言われることだが、九州の女は他人の前では夫を立てて慎ましく振る舞うが、家庭の実権を握っているのは嫁だそうだ。これも個人差がある話だし、一概には言えないが、個人的体験に限って言えば当たっているような気がする。おそらく、幼い頃は父の真似をして男尊女卑に傾くものの分別がつく年齢になると権力の在処に気付き是正されるのではなかろうか。


我が家はどうなのという疑問が聞こえてきそうだが、その件に関してはノーコメントを貫くことにする。

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