海外放浪記 18)
これまでの海外旅行や海外出張を古い順に並べてみた。なお、前回は次の通り。
https://hirasakajuku.blogspot.com/2025/11/17.html
18)オランダ、アムステルダム。2005年7月。アムステルダム郊外の合宿所のような施設で開催された集中講義に参加するために弟子だったKHG君とKKJ君を同伴しての出張だった。当時の俺は年間1800万ウォンほどの研究費を取得していた。その内の1000万ウォンは二人の弟子への人件費で残りは旅費やパソコンなどの機材費とセミナー開催費だった。俺は研究費として支給されたものだから人件費も研究のために使われるべきだろうと思い込んでいた。その結果、二人の弟子に「毎月支給している人件費をオランダまでの旅費に当てるように」と指示した。しかし、この類の指示は研究費流用の温床となるので言ってはいけないことなのだ。知らなかったとは言え、二人の弟子に自費で参加させたことに謝罪し、倫理に反する行為を深く反省している。遡及されたら司直の裁きを受ける覚悟だ。
帰りの道中はBSJ博士も合流して四人でアムステルダム観光を楽しんだ。アムステルダム駅の近くはアル中や薬中としか思えない輩がうろついていて、身の危険を感じるほどだった。飾り窓地区は隔離された区画に位置しているわけでなく普通に歩いていたら紛れ込むような場所にあった。通りの至る所にマリファナなどの合法ドラッグの喫煙所があった。道路脇には性器を連想させる装飾物が並んでいた。欲望が渦巻く街アムステルダムに文化的衝撃を受けた。日本のエロ本だらけのコンビニや中洲などの歓楽街が可愛く見えた。
それでもいくつもの運河が連なり、それらの両岸を結ぶ多くの橋を讃える景観は美しいの一言で、街を歩くだけで楽しかった。夕方に着いた初日はホテルに荷物を置いた後、映画館に行き、ブラッドピットとアンジェリーナジョリーが結婚する前に夫婦役で共演した「Mr. & Mrs. Smith」を鑑賞した。二日目はゴッホ美術館を見学して、小舟に乗って運河巡りをした。
二人の弟子には「ここは自転車専用だから歩くな」とか「麺類を啜るな。韓国では公の場でこれ見よがしに鼻をかんだりしないだろう。それと同じ目で見られるから気をつけろ」と注意していたのを思い出す。BSJ博士とも何が原因だったか思い出せないが、行き違いが起きて、そのあとすぐに仲直りしたんだった。今考えると、四人でのヨーロッパという見知らぬ土地を観光したのは得難い貴重で楽しい経験だったなと思う。
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