政局ウォーズー高市の逆襲
NHKで日米首脳会談前の様子が中継されていた。トランプ大統領を出迎える高市総理、これまでは「握手の時、日本の総理の態度が謙りすぎて格下に見られないか?」と心配になったが、今回は初の女性総理ということでその心配は皆無だった。女性に対してマウントを取ってくる男性はよくは見えないし、お辞儀しても女性のたおやかな振る舞いに見えるからだ。高市総理は変に肩肘張ることなく自然体のもてなしをしていたと思う。
大学生の頃、九大数学科の男女比率は9対1だった。数学科の飲み会があって二次会はカラオケとなったとき、女子学生が全員帰ってしまった状況を想像してほしい。男ばかりのカラオケは羞恥心も「かっこいいところを見せよう」という気持ちが生じないので気楽ではあるが、モテない自分を確認する作業である種の虚しさがある。逆に女子学生が一人でもいる状況を想像してほしい。その娘が歌うと、男子学生全員が立ち上がりやんややんやの大合唱が起こり、その二次会は大盛り上がり大会となり、まるでアイドル歌手のコンサート会場と化す。平塚らいちょうの「原始、女性は太陽だった」の意味を実感する場面でもある。
日米首脳会談の席に座る高市総理と片山財務相を見てそんなことを思い出した。さて、公明党の連立離脱で窮地に陥った高市総裁だったが、維新の会との連立合意で主班指名され総理大臣にまで上り詰めた。しかし、議員の定数削減という「誰がやっても揉めそうで党内合意さえ形成できないような法案を連立維持の絶対条件として約束してしまい、前途は多難である。維新の会は「どうせできっこない」という見込みで約束させたのだろう。そのことを盾に政策を実現し、内閣支持率が下がってきたら、改革政党の看板で連立離脱して内閣不信任案を提出して総選挙に臨めばいい、どう転んでも構わない維新の会のしたたかさが垣間見える。
それでは高市政権はどうすればいいのか?ずばり、来週から始まる臨時国会の会期中に「衆議院議員の比例枠176議席から50議席を削減する」法案を提出することだ。小選挙区の調整は利害が衝突するので不可能に近いと思う。これは「トランプ政権のようなスピードで改革を断行する内閣」という印象を世間に与え、その法案への賛否がリトマス試験紙の役割を果たし、高市内閣の現在の支持率は法案成立を後押しするだろう。否決もしくは議決が延期になっても、「維新の会への義理は果たした」ということで高市総理はフリーハンドを得ることができる。要するに、どう転んでも有利に働くし、現在の支持率と株式市場の期待に応える方策だ。これを生かさない手はないと思うのだが。
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