学術的遺伝

 指導教官へのメールを書いている時に気付いたことがある。俺の指導教官、正確に言うと、学生時代に指導教官だった方、過去も現在も未來も師と仰ぐので、これからは師匠という名称で統一する、もとい、俺の師匠は弟子が多い。数学分野における学術的師弟関係を調べるには以下のURLが便利だ。

https://www.mathgenealogy.org/

英文で名前を入力すると、その人の弟子一覧が出力される。ただし、最新情報に更新されているわけではないようだ。俺の師匠は日米中の三大学で32人の弟子がいる。孫弟子まで含めると69人の学術的子孫を持つ。それだけでなく、長年の学術活動を通して得られたコミュニティも多種多様で、その延べ人数は膨大な数になりそうだ。

しかし、それらのコミュニティを束ねるSNSは一つもないことに気付いた。もしかしたら、俺が知らないところで、そういうSNSがあるかもしれないが、少なくとも俺は属してないし、俺の師匠も属してないと思われる。その理由は師匠はスマホを持ってないし、ご自身が「機械に弱い」と言うほど古きを大事にされる方だからだ。そうは言っても、Macでメールも打つし論文も書いてるから、必要に迫られればできるはずだ。

俺は兄弟子や弟弟子の動向や私的な話題を知りたいと思ったが、そういう場や連絡網が一つもないことに気付いた。もちろん、フェイスブック等のSNSでプライベートに触れることはできるが、「ここに師匠が参加してくれたら皆がフェイスブックに登録して盛り上がるだろうに」というないものねだり感に襲われたりもする。

今、この文章を書いていて気付いたことがある。それは俺も俺弟子たちが集うSNSに参加してないという事実だ。「これが学術的遺伝か!?」と思った次第だ。


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