極私的麺類ランキング
最近は気候が涼しくなってきたせいかよく眠れるようになった。以前は2時間熟睡できたら御の字で残りの時間は悶々と過ごしていたが、今は一晩に二回もしくは三回の熟睡が出来るようになった。昨晩はその例外で、最初の目覚めから朝まで眠っているのかいないのかわからないような状態で過ごした。その間に考えたことがある。それは極私的麺類ランキングの選定だ。
とりあえずは、うどん、そば、ラーメン、パスタのように麺類をエントリーすることから始めた。しかし、それぞれ範囲が広すぎてどこまで細分化すればいいのかという問題に直面した。例えば、ラーメンでは即席麺とそれ以外で分けるべきだと思ったし、スープの種類や麺の形状や地域や店舗によって味は千差万別だし、パスタではスパゲティやマカロニやペンネなどの多種多様な形状のものがあり、具材やソースによってまるで異なる食べ物になってしまう。うどんではカレーうどんも含まれるし、そばではざるそばとかけそばは別物だし、ガレット料理も含めるかという議論もある。その四種類だけで終わるはずもなく、ソーメン、ちゃんぽん、焼きそば、が続き、世界に目を向けると、中国における坦々麺やパーコーメンなどのたくさんの中華麺類群、韓国のカルグクスやネンミョンなどのように、地域ごとに麺類は豊富で、俺の海外経験の範囲に限定しても膨大な数の麺類がエントリーされることになる。エントリーが完了したとしてもどのような基準で順位をつけるのかという問題がある。山形で食べたざるそばは美味しかったけど長崎ではうどんしか食べないという場合、どっちが上にランクされるのか基準がないと決められない。極私的なのだから好きなように決めれば良いのだが、元数学者という肩書きが明確な基準を要求して来る。
幼い頃に染み付いた味という基準であれば、断然、ちゃんぽんである。故郷の大村でラーメンは専門店ではなく中華料理屋で食べるものだった。そばは大晦日に食べるもので通常はうどんを食べていた。そのうどんも讃岐のような腰の強い麺ではなく、ご馳走という感じではなかった。パスタはナポリタンとミートソースしかない時代で特別美味しいものではなかった。ちゃんぽんについてはリンガーハット大村高校前店が開店したとき親父が連れて行ってくれたのを鮮明に覚えている。野菜嫌いだった小食の俺が汁まで平らげるほど美味かった。大人になってから長崎市の中華街の名店でちゃんぽんを食べた。確かに上品な味わいで美味しいのだが、何かが足りない。それは空腹時に塩分とカロリーを求めてガツガツかき込む雰囲気で、正に幼少期の体験そのものだった。某ハンバーガーチェーン最大手の商品は全く美味しいと思わないのだが、うちの子たちは好んで食べている。これも幼少期の体験が味覚に大きな影響を与える例だろう。
秋の夜長にそんなことを考えていた。
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