自民党総裁選演説会

 自民党総裁選の候補者5人による演説会の生中継がNHKで放送された。以下は各候補に対する寸評である。

小林氏。この人は背が高い。他の候補と並ぶと頭一個分くらい上にある。いずれ総理大臣になる人だと目される。G7などの外交の舞台で各国の首脳たちと並び立ったらさぞかし絵になるだろうし頼もしく感じるだろうと思った。今回は当選することはないだろうけど、実務経験と人心掌握術を磨ききたるべき外交デビューの日に備えてほしい。こういうことを書くと「ルッキズムに囚われている」と非難されそうだが、感じ方は人それぞれだし、最近のコンプライアンス厳守の風潮は行き過ぎだと思うので、敢えて書いた。

茂木氏。トランプ大統領からタフネゴシエイターと評されたが、政界入りする前の経歴と閣僚としての実務経験に裏打ちされた言葉にはその評まんまの重みを感じた。年齢的にも最後の機会と思っての出馬なのだろうが、前回の総裁選での得票状況を見ると全国的な人気はないように見える。安心して総理大臣を任せられる候補の一人なので、世間の耳目を集める派手な選挙運動に期待する。

林氏。茂木氏と同様に官房長官を務めるほどの実務派だ。毎日記者会見をやってテレビに出て知名度は高いはずなのに何故か国民から総理に推す声が上がらない。個人的には茂木氏か林氏のどちらかが当選してほしいと思っているが、派閥が解消された現在の状況ではキングメーカーが票を集められないので党員票を稼げない二人は不利だと思う。

高市氏。いつものように安全保障の話が中心かなと思ったが、「奈良の鹿を蹴る外国人観光客」の話から始まって参政党の劣化コピーのような主張が続いた。しかも、総裁になってからの政策も現実離れしたものばかりだった。「まだ衆参両院で自民党が過半数を占めてるの?」と錯覚させるほどズレていた。はっきり言って彼女のスピーチライターは無能を通り越して背任だと思う。初の女性総裁誕生の期待は撤回することにした。

小泉氏。事前に準備していたのか定かではないが、彼の演説の前半部分は高市氏の演説の意趣返しと言った内容で、自身が初当選した選挙で自民党は野党に転落して谷垣総裁の掛け声で地方を回り国民の声を聞くことから始めたという話だった。やっぱり、この人は人の心や空気の流れを読むことに関して天賦の才能を持っているなあと思った。ただ、あの若さで総理の座に就くのは怖すぎる。閣僚経験を積んで、盤石の状態で総裁になって采配を振るってほしい。

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