三男との抗争

 三男が携帯用のホワイトボードにひらがなの五十音を書き始めた。全部書き終えたのを見届けてから文字盤で「す」と伝えると三男が「すごい?」と聞いてきたのでゆっくりと目をつぶった。

話は2ヶ月前に遡る。夏休みに入り、大村滞在が近づいてきた頃、隙あらばipadでゲームをし始める三男を呼び付けて「麻雀のゲームをするか、本を読みなさい」と指導していた。敵もさるもので一旦は従うもののすぐに他のゲームをし始めたり、トイレに行って戻って来ないなどの対抗策を講じてきた。大村から帰ってきた後は「カタカナを兄に教えてもらいなさい」と指導していたが、「宿題を先にしなきゃいけない」とはぐらかさたり、忙しい兄たちを見越して「兄さん、教えて」と言ったりでうまくいかなかった。

三男は小6だ。小1の頃は日本の学校に通っていた。ひらがなとカタカナは習っているはずだ。忘れていたとしても、毎日五十音の書取りをやれば一週間で書けるようになるはずだ。俺は三男以外の家族が参加しているSNSにそのことを投稿して協力を促した。一昨日も、三男が同級生と外食することを許す交換条件として五十音の書取りを要求して、冒頭の状況に至るというわけだ。

昨日、三男が「文字盤?」と聞くので、「し」と伝えると三男は「しんげきのきょじん?」と聞いてきた。俺が目を閉じると、漫画「進撃の巨人」の単行本を持って来て俺の目の前で読み始めた。その直後に三男が「うわあ、今、読める!!」と歓声を上げた。

不覚にも感動してしまった。継続は力なり。次はカタカナだ。



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