特別な客人

 昨晩は消化不良が祟って全く眠れなかった。座ってテレビを見ていたときは何ともなかったが、横になって初めて違和感が生じた。「胃の中に何か残っている。痛みや苦しさはないから眠れば治るだろう」と思っていたが、胃が気になって一向に眠気が来ない。時刻は午前2時、翌日に妻の父、妻の妹、妻の姪が泊りに来るので妻は掃除で忙しい。俺は妻を呼んで座らせてと頼んだ。座った状態で胃瘻を通じて胃の内容物を出して、梅ジュースを入れるも、違和感は解消せず、午前3時に妻の就寝に合わせて再び横になった。翌日の運転を控える妻を起こすわけにはいかない。ここからが長かった。眠気が来ないまま朝を迎え、今も目を開けているのが辛い状況だ。

義父は視線入力中で天井を向いている俺の顔を覗き込み、笑みと憐れみが入り交じった表情を浮かべ、俺からの反応がないのを確認すると別室に去って行った。俺は無視していたわけではなく、必死に視線を動かして、韓国語での音声入力を打ち込んでいた。義父の髪が一段と白くなり杖をついていたのが気になった。義父は心臓の持病を抱えていて、今日は釜山大学病院での定期検診の日だった。俺が健康だった頃は囲碁を打ち、焼酎のお供をしていたのに、時の流れとは残酷なものだ。

義理の妹が俺の左手を両手で握りお祈りしてくれた。今日だけでなく、電話越しに何度もお祈りしてくれた。俺はそのことを思い出し、万感の思いで目を閉じ、お祈りの内容を聴いていた。彼女は人生の危機と試練の時期を経て、立ち直って今を生きている。それ故に、人に優しい。俺も彼女にあやかって人に優しく、そして逆転を信じて生きようと思う。

姪っ子の声は聞こえるが、顔はまだ見れてない。妻がそのうち紹介してくれるだろう。ちなみに妻の妹は二人いて、その姪っ子の母は今日は来ていない。


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