NBAファイナルゲーム7
NBAファイナルゲーム7の生中継を視聴した。ちなみにNBAとはNational Basketball Association の略語で、そのファイナルとはレギュラーシーズンの成績で選抜された16チームが争う1ヶ月半に渡るトーナメントの決勝戦のことで、4戦先勝が優勝の条件なので、このゲームの勝敗で優勝が決まる大一番である。
下馬評は圧倒的な勝率でレギュラーシーズンを終えたオクラホマシティサンダーの圧勝で、対戦相手のインディアナペイサーズはエースのハリバートンの勝負所での活躍でゲーム7まで漕ぎ着けるも右足に負傷を抱えていることと会場がサンダーのホームということからペイサーズの不利が囁かれている。
試合は第1クォーターから厳しい守備合戦で、ハリバートンの3本のスリーポイントシュートでサンダーの守備に脅威を与えた。サンダーのエースのシェイギルガスアレクサンダー( SGA と呼ばれている) はレギュラーシーズンのMVPらしい活躍で名勝負を予感させる展開だった。
第2クォーターが始まってすぐの出来事だった。ハリバートンにボールが渡る瞬間に脚を組み換えようとした。その着地の衝撃に右足が耐えきれず前のめりに倒れこんだ。その直後にハリバートンが手のひらで床を叩き事態の深刻さを伺わせた。彼は両脇を支えられて退場してコートに戻ってくることはなかった。
長距離砲を失ったペイサーズが瓦解するのは時間の問題と思われた。しかし、突き放そうとするサンダーのスリーポイントシュートはことごとく外れ、逆にペイサーズのそれは高確率で入った。スコアは拮抗していて「このまま終盤まで接戦が続いたらゲーム1の再現もあるかも」というホームアリーナを埋め尽くすサンダーのファンに不穏な空気が漂った。頼みのSGAのシュートも入らない。一方のペイサーズはハリバートンの代役で入ったマコーネルの奮闘とシアカムのマルチな活躍とターナーのスリーポイントシュートで前半を一点リードで終える。
第3クォーター中盤まで接戦が続いた。拮抗を破ったのはサンダーのジェイレンウィリアムスのラインから遠く離れたスリーポイントシュートだった。空気を読まない彼の積極性はチームに忘れていた推進力をもたらした。得意の「相手のボール保持者をサイドに追い込んで苦しまぎれに出した縦パスをスティールする」というチーム戦術が決まり始め、SGAのプレイもキレが戻った。そうするとカルソを始めとするチームの縁の下の力持ちのプレイも冴えて来て、大波となったサンダーがペイサーズを呑みこみつつあった。
第4クォーター中盤には20点差がついて趨勢は決したように見えた。しかし、ペイサーズはフルコートマンツーマンでサンダーのミスを誘い、8点差まで迫った。「ここでハリバートンがいたら」とペイサーズファンの誰もが思ったことだろう。しかし、SGAは「そんなのは幻想だ」と言わんばかりの冷静沈着なプレイで点差を広げ時計の針を進めて、勝利を確固たるものにした。
敗れたペイサーズが退場するまでサンダーの面々はとんだり跳ねたりの喜び方をしなかったと解説者が言っていた。画面が退場する通路に切り替わった。そこには松葉杖をついて罪人のようにタオルを頭に被ったハリバートンの後ろ姿が映っていて、チームメイトの一人一人にタッチして出迎えていた。代役のマコーネルはタッチの後に涙ぐみ、ペイサーズのレジェンドであるレジーミラーに慰労されていた。泣き顔のマコーネルを守るためにテレビカメラを遮った女性スタッフの態度も印象的だった。
やっぱりNBAは面白い。今回のファイナルゲーム7を一試合をフルで視聴することでその奥の深さを垣間見れたような気がする。
ウルフ・アロンの新日参戦でプロレスも面白くなるね。
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