花見への道
今日は朝6時に目が覚めた。時刻を覚えている理由は妻の携帯電話のアラームが鳴ったからだ。妻はアラームを消すと再び眠ってしまう。俺は「平日は早起きして慢性的な睡眠不足なんだよな。週末くらいぐっすり寝てほしい。幸いに困ったこともないし、俺ももうひと眠りしよう」と思った。しかし、目は冴え、結局、痰が詰まって妻を起こしたのが8時半、その時間まで「今日は外出してみようかな。桜も見頃だろう。今日を逃したら、日曜はオンライン礼拝、平日は移乗に必要な男手が足りないから来週の土曜日になる。そのときには桜は散ってしまうだろう。通常であれば午前中は栄養補給に伴う様々なことに費やされるが、今回は何も食べずに外出しよう。そうすれば痰も詰まらないだろう」と考えていた。
妻にその旨を伝えた。「あなたが言い出すなんて珍しい。気が変わらないうちに急いで準備するね」みたいな反応を期待していたのだが、実際は「起きたばかりだから後にしてくれる?今日は寒いから明日にしようよ」というつれない返事だった。しかし、そこは夫婦の以心伝心が働き、準備かれこれを終えて出発する運びとなった。時刻は11時を回っていた。
長男はインフルエンザにかかり寝込んでいた。長女は勉強しに出掛けた。三男は外出する前にシャワーを浴びるという謎のポリシーを遵守していて、11時になっても何の準備もしていなかったので脱落。次男も「勉強しに行く」というものの妻からの誘いを断れなかったのか、親孝行しなきゃと思ったのか同行することになった。こうして再結成されたチーム平坂は外出を決行する。
チーム平坂は区役所前の庭園を目指して行軍した。と言ってもわずか200mの距離だが。そこには水仙、椿、パンジーが植えられていて春の息吹きを感じた。旅のクライマックスは川沿いの歩道をアーチ型にしだれて覆う桜並木だった。時折突風が吹くと桜吹雪がまき起こった。これまで桜に対して「ああ、きれいだな」という感情しか湧かなかったが、今回は死ぬ間際の人が「こんな美しいものを見たら思い残すことはない」と思うような妖しさを感じた。そこで写真を撮った。交互にカメラマンを務めた妻と次男の笑顔を見て嬉しくなった。一時間も車椅子に座っているとさすがにお尻が痛くなる。そんな俺の心を知ってか知らずか、妻は寄り道して、アパート敷地内の真っ白な木蓮と真っ赤に咲き誇る椿を見せてくれた。自宅に戻り、柔らかい寝台に寝かされたときは生き返った心地だった。
俺のわがままに付き合ってくれた妻と次男に感謝を伝えたい。
今日は雲っていましたが、帰ってからすぐ雨が降り始めました。晴れた日に車に乗って少し遠くまで行きたいですね。今日はご苦労様でした。
返信削除Spring is coming! 🙂
返信削除チーム平坂お疲れ様でした!
返信削除こちらも桜が満開です🌸