チコちゃんに物申す
NHKの人気番組「チコちゃんに叱られる」の4月11日放送分の再放送を視聴した。この日の1番目のお題は「人間の体毛が他の哺乳類と比べて少ないのはどうして?」だった。その答えが「狩りをするようになったから」だった。この番組は素朴な疑問に対して、真面目に答えたり、思わず笑ってしまうようなトンデモ解答が出てきたり、それを説明する寸劇が始まったりする娯楽番組だ。なので、その答えに目くじらを立てるのは正しい楽しみ方ではないのは百も承知だ。
しかしながら、学者らしき人が自信満々に説明するのを聞いて本気で信じる人も少なからずいるだろうなと心配になったので、目くじらを立てることにした。
上記の答えの後に続く説明が「体毛が濃ゆかった人類の祖先はアフリカの森林で木の実を食べて生活していたが、サバンナで狩りを習得する過程で汗をかいて体温が下がりやすい無毛体質に変化していった」というものだった。どこから突っ込んでいいかわからなくなるほどのトンデモ学説なのだが、まずは体毛が濃ゆかったというのも眉唾だし、暑い気候での狩りに有利な体質に遺伝情報が変化したというのも信じがたい。何十万年も前のことだから実験も検証もできないのをいいことにトンデモ仮説がまかり通ることがあまりにも多いと思う。
この番組に出演している学者も相関から因果を導くのは容易でないことを分かっているくせにトンデモ学説をあたかも事実であるかのように断定するのは罪が大きいと思う。しかし、木村多江の迫真の演技には心を打たれたなあ。
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