読み聞かせの記憶



幼い頃に読んでもらった絵本の記憶がまるでない。普通は何度も繰り返して読んだ絵本というのがあるはずなんだけど一冊も思い浮かばない。俺の幼少時に父が肝炎で入退院を繰り返していたし、俺が5歳の時に弟が産まれたから、読み聞かせの余裕が母になかったのかもしれないし、俺が忘れているだけなのかもしれない。今度、母に聞いてみることにしよう。しかし、7歳以降の記憶ははっきりしている。読み聞かせで最も夢中になったのが「アリババと40人の盗賊」で、召使いのモルジアナが盗賊を皆殺しにするなどのR指定になってもおかしくない内容なのだが、とにかく面白かった。


次点は「三つの宝」、「杜子春」、「蜘蛛の糸」の芥川竜之介作品を子供向けに仮名遣いや表現を改訂したものだ。原文の青空文庫でのリンクを以下に貼っておく。

https://www.aozora.gr.jp/cards/000879/files/1126_14251.html

https://www.aozora.gr.jp/cards/000879/files/43015_17432.html

https://www.aozora.gr.jp/cards/000879/files/92_14545.html

「三つの宝」を読んでみた。昔はアフリカの王は最強の悪役という印象だったが、今読むと非の打ちどころがないほどのナイスガイでびっくりした。昔は無理矢理婚約させられる王女が可哀想と思っていたが、今は見た目重視の性格の悪い女という印象に変わった。王子なんだから護衛くらい付けろよと突っ込みを入れたくなった。

「杜子春」を読んでみた。さすが文豪と感心するほどのリズム感だった。杜子春は全てを鉄冠子に与えてもらう恵まれた人生だなと思った。俺はこの話で親孝行の大切さを刷り込まれた。そういう人は多いと思う。

「蜘蛛の糸」を読んでみた。昔は何が教訓になるのかがわからなかった。カンダタにとっての蜘蛛とお釈迦様にとってのカンダタという階層構造の対比が面白い。蜘蛛がどうあがいても人間社会に住むことはできないのと他の生物を殺傷しまくっている人間の象徴として描かれているカンダタはどんな選択をしようが天上界の住人にはなれない。それをわかっていながら蜘蛛の糸を垂らすお釈迦様は相当に性格が悪いと思った。

コメント

  1. Yes, think sometimes fiction gives us more wisdoms than non-fiction.

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  2. 俺は結構読み聞かせしてもらった記憶がある。
    お菓子の家とか色々呼んでもらった気がするけどモチモチの木とか杜子春とか少し怖いのが印象に残るね。

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