自問自答の日々
入院していたとき、動物愛護を訴える番組がテレビで流れていた。その番組の中で車庫に侵入した子猫を蹴飛ばし踏みつける男の映像が流れた。「威嚇じゃなくて本当に踏みつけるとは。俺にはできない、というか、人としてやってはいけないことだろう」と思ったが、その一方で「そう思う基準は何だろう?」という疑問が湧き、自問自答が始まった。
今は虫一匹殺せない体になってしまったので、これから書くことは健康だった時を想定している。先ず、蚊は躊躇なく殺すことができる。蚊の立場からすると圧殺されて全身から体液を吹き出して絶命するというこの上なく悲惨な死に方なのだが、俺は全く気にならない。しかし、てんとう虫は殺せない、カブト虫やバッタなどの昆虫も同様に殺せない、というかその行為は人間性の欠落と考える。それなら昆虫採収をやっている人を非難することになるぞと言われそうだが、潰すとかバラバラにするとかの殺し方でなければ構わない。ちなみにゴキブリも躊躇なく殺すことができる。同じ昆虫なのにこの差は何だろう? その答えは「自分に危害を与える生物か否か」だろうと考えた。しかし、よく考えたらその答えに疑問が生じてきた。
俺らは肉を食べる。それはすなわち鶏や豚や牛を屠殺する過程を経て店頭に並ぶということだ。俺らは魚を食べる。水の中にいる魚を陸に上げれば死んでしまう。それから、包丁で三枚に切り分けられる。昆虫をばらばらにすることは人道に反すると主張する俺だが、魚に関しては「かわいそう」とは露ほども思わないし、躊躇なく包丁で切り刻める。屠殺はやりたくないけど、「どうしてもダメだ」というわけでもない。「仕事だからやれ」と言われればやると思う。
他の動物を殺すことができる基準は自らの生存のためという理由が付けばどこまでも拡大しそうだ。人間同士でも「危害を与える存在か否か」というのがその条件に大きく関わっているような気がする。俺が蚊全てを同一視して、罪のない蚊まで圧殺してしまうような事例が世界中且つ現在進行形で起こっている。「害虫だから殺してよいは果たして正しいのか」が最新の自問自答だ。
I think for mosquitoes, they bother me a lot, and this rationalizes me that it is okay to get rid of them.
返信削除そう言えば、人間は生存と危害の理由以外でも人間同士を殺したりしますね。私も高校時代、虫を殺す事に罪悪感を感じた時期がありました。
返信削除