不法滞在寸前

 


普段は、NHKばかり視聴して、子供たちとは日本語で意志疎通して、韓国語も日本の方言に聞こえるくらい上達したし、外国に住んでいる感覚は全くない。しかし、俺は外国人だ。そう強調するのには理由がある。ビザの期限が切れそうだからだ。来週の水曜日を過ぎると、俺は不法滞在者となり、場合によっては強制送還されるかもしれないのだ。さすがにそれは現実的ではないが、医療保険が使えないなどの問題が出てくる。


それは断固回避しなければと結成されたのがチーム平坂だ。その本人はもちろん俺で、妻は助演で監督でカメラマンだ。まず妻が出入国管理局に電話をかけた。本来であれば、本人である俺が出入国管理局に出向いて諸手続きを遂行しなければならない。2019年の更新時の様子は闘病記(釜山編)に記録されている。2021年の更新時は俺の体調を考慮してもらい、自宅にいながら滞在ビザを延長することができた。「今回も妻に任せておけば大丈夫だろう」と鷹をくくっていたが、電話中の妻の声は深刻そうで少々心配になった。電話を終えた妻は心底安堵した面持ちで「一週間後に必要書類を提出しに行けば更新してもらえるそうよ」と言った。その一週間後が今日である。


必要書類は申請書、旅券、顔写真だ。俺の旅券の期限は2027年だ。本来であれば、4年ごとに更新すればいいのだが、旅券の期限までの延長しかできないそうだ。それはこの際仕方ない。ただし、旅券とビザの期限が切れる2年後は心しておかなければいけない。これで顔写真さえあれば必要書類が完成する。ところが、その一枚の写真が家中どこを探しても出てこなかった。焦った妻は写真館に電話をかけ交渉を始めた。なんと、スマホで撮影した現在の俺の写真を送れば証明写真用に加工してくれるというのだ。


妻は俺の顔を念入りに拭いた後、俺を寝かせたままでシーツを背景にした写真をスマホで撮影した。チーム平坂の最終走者は長男だ。いつもより早く帰ってきた長男に必要書類を託し、片道50分の出入国管理局まで行ってもらい、「書類が受領された」という連絡が先ほど入った。本人である俺は何もしてないのに、チーム平坂の活躍で事無きを得た。この場を借りて妻と長男に感謝を伝えたい。

コメント

  1. Team Hirasaka has done a wonderful teamwork!

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  2. そんなスリルいらないんですけど。
    でもビザ延長できて良かった

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  3. さすが!チーム平坂!
    ありがとう!チーム平坂!!

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