酸素飽和度を巡る攻防
俺の生存に不可欠なものは人工呼吸器だ。外れたら警告音が鳴る、停電に備えて7時間のバッテリー機能が付いている、持ち運べる、緊急時には呼吸器を提供している会社の職員が駆けつける、等の安全弁が張り巡らされている。
次に重要なのは吸引器だ。これがないと痰を取り出せず酸素飽和度が下がり呼吸困難に陥り救急車を呼ぶことになる。我が家には二台の吸引器が有り、そのうちの一台にはバッテリー機能が付いている。その次に重要なのはカフアシスト(咳誘発器)だ。これはのどの奥にこびりついた痰を除去するときに有効で、吸引器と併用されることが多い。
昨晩、そのカフアシストが突然作動しなくなった。電源は入っているが、空気を吸い込む音が聞こえてこない。妻は担当者に電話して故障の原因を探していたが解決には至らない。結局、その担当者が別のカフアシストを持ってくることになった。到着まで1時間、吸引器もあるし大丈夫だと思っていたが、酸素飽和度が80まで下がり救急車を呼ぶ一歩手前まで行った。
そのとき、家族全員が俺の寝床の周りに集まり、心配そうな表情を浮かべていた。忌の瞬間を疑似体験しているような気分は束の間で、酸素飽和度が92まで上がると安心してハイテンションになったのか、家族全員が俺の周りでワイワイガヤガヤ、相互にふざけあい冗談が飛び交う、臨終とは程遠い雰囲気に変わってしまった。担当者がやって来て、カフアシストを施すと酸素飽和度は正常値の98まで回復した。
本当に大切なものが何かを再認識した夜だった。
It seems like there was a big danger last night. I feel relief that everything went well after all!
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