コーヒー中毒

 大晦日の午後から元日の正午まで妻が体調不良で寝込んでいた。最初は「昼寝すれば気分もよくなるだろう」と思っていたが、時間の経過と共に悪化していき、就寝前に「オエー」という音と共に跳び上がって厠に駆け込み嘔吐を繰り返した。妻は「昼からミカンしか食べてないけど、消化不良と頭痛が酷くてミカンまで吐いてしまった。これはコーヒー中毒の症状かも」と言って、「あれだけ長く昼寝して眠気が来るの?」と不思議に思うほどの深い眠りについた。

コーヒー中毒なら俺にも経験がある。韓国では自動販売機の甘いミルクコーヒーを飲みながら喋ることが定着していて、いつ頃からか俺もそのコーヒーを好んで飲むようになった。勝手な推測だが、自動販売機のコーヒーは中毒になるように成分調整してあると思えてならない。タイマーが作用するかのように禁断症状に襲われ、俺の場合は、頭痛が続いて何の仕事もできなくなる。俺は「もう二度とこんな辛い思いはしたくない」と思い、自動販売機のコーヒーを避けるようになった。

今日、妻は完全に回復して三男と遊びに来ている姪っ子を連れて映画館に出掛けた。今日からコーヒーの代わりに緑茶を飲むそうだ。一時は本気で心配していたが、元気になって本当によかった。

話は大晦日の夜に遡る。朝倉未来の惨敗から現実逃避するためにパソコンを終了して、電動寝台を起こして紅白歌合戦を視聴することにした。テレビ画面に映るのは久保田利伸だった。彼は80年代後半に現れ、米米クラブを始めとするアーティストから「最もファンキーな歌手」として絶賛されていた。作詞作曲もこなし、抜群の声量と歌唱力でブラックミュージックと歌謡との融合を試みる、「何でこんなに才能の塊が日本に生まれたのだろう?」と思うほどの突然変異の天才に魅了された人は多い。しかし、紅白歌合戦での彼のステージは往年の名歌手という扱いで、尺も演出も「せっかく紅白に出てくれたんだから、もっと大物感を出して若者の琴線に触れるように演出してくれよ」と言いたくなるほどもの足りないものだった。

その翌日、どこかで聞いたようなメロディが流れてきた。この声は長女の声、長女が口ずさんでいるのは久保田の代表曲ではないか。恐るべし久保田、最も影響を与えてほしい若者にピンポイントで爪痕を残すとは。やっぱり、お前は久保田利伸だ。長女が次に何を口ずさむのかが気になる今日この頃だ。

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