ドカベンの名場面

 前日のブログで漫画「ドカベン」について言及した。それは明訓高校野球部の物語で、同学年の山田、岩鬼、殿馬、里中の活躍が描かれている。ちなみにその題名は主人公の山田がドでかい日の丸弁当を持参することにに由来している。今回は多少マニアックになるが、俺の心に残った名場面を列挙していく。尚、俺の記憶力のみが頼りなので、名前などのの間違いがあるかもしれない。

1)白新学院の不知火は隻眼の弱点を突く配球を逆手に取って本塁打を放つ。塁間を回る際にサングラスをかけた観客が歓声を送る。不知火は「やったぞ。父さん」とその歓声に応える。そこで不知火が父から眼球を譲り受けたことが明かされる。超スローボールで山田をスランプのどん底に落とした投手の不知火が見せた唯一の感情を爆発させた場面として印象的だった。

2)夏の甲子園の決勝の九回裏ランナー三塁の場面で三塁のはるか後方にファウルフライが上がる。周囲の「取るな」の声が聞こえないのか岩鬼は観客席間際のボールをキャッチしてしまう。すると三塁ランナーはタッチアップで本塁に向かって走り出す。明訓高校の初優勝か同点かが分かれる場面で、岩鬼の送球は山田のミットに収まり、ランナーの目の前に白球が立ちはだかるという劇的な結末だった。作者の水島新司は野球のルールブックの見落としがちな部分を題材に話を作ることが多い。俺もこの話を読む前は「ファウルフライでタッチアップできる」ということを知らなかった。

3)記憶喪失になった山田が満塁の場面で打席に立ち、本塁打を放つという正にマンガオブマンガの展開に痺れまくった。その後の敬遠の指示を無視して背負い投げ投法で山田との最後の勝負に挑んだ影丸に感動した。ライバルが魅力的に描かれているのがドカベンの特徴だ。

4)投手の里中が肩と肘の故障で地区予選に出場できないとき、岩鬼、殿馬、山田が投手を命じられて、殿馬は意表を突く牽制球で、山田は捕手の構えからの豪速球で抑えていたのがよかった。低学年の頃に見たアニメでは「岩鬼は口ばっかりでちっともチームの役に立ってない」と否定的な見方をしていたが、高学年になって漫画を読み出すと「ハチャメチャな岩鬼がいるからこそ面白い」と全肯定するようになった。

5)かつて明訓高校を優勝に導いた徳川監督がスター選手不在の信濃高校を率いて甲子園で激突した戦いも印象深い。無死満塁のピンチで山田が「やっぱり親指の具合がよくないか?」と周囲に聞こえるように言い放ち、敵に「変化球はない」と思わせ、投手の里中には親指を使わない変化球を投げさせて、キャッチャーフライを誘発し、山田が故意にワンバウンドで処理して三重刹を完成させた。明訓高校を知り尽くした徳川監督との頭脳戦は見応えがあった。


コメント

  1. ドカベンといえば、土佐丸高校との死闘、明訓四天王の過去を描いた第31巻が最高でした。

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