国際報道

 NHKの国際報道2025を視聴した。この番組は日本時間の22時から衛星第一テレビで放送される国際情勢のみを扱っている。ここ韓国では海外用に編成されたチャンネルであるNHKプレミアムを通して23時50分から視聴できる。二年前は妻と三男が熟睡していたので、月曜から金曜までは同番組を視聴してから長男か次男に頼んで寝る体勢を整えてもらって眠るのが日課だった。しかし、いつ頃からか三男が夜中に起きるようになり、夜中のテレビ視聴を控えるようになった。今週は三兄弟は大村に滞在しているので、大手を振ってテレビを見ているというわけだ。

改めて思うことは国際報道2025は極めて良質なニュースと解説を提供してくれる番組だと言うことだ。しかも、天気予報やスポーツニュースがない分、個々の国際的イッシューを深堀できるという長所もある。でも視聴率は低いだろうな。昨日の特集は「東南アジアの国々で戦争がどのように語り継がれているか」という主題で色々と考えさせられる内容だった。リージョンコードのために日本以外の地域では閲覧できないが、国際報道2025のホームページを以下に貼っておく。

https://www.nhk.jp/p/kokusaihoudou/ts/8M689W8RVX/

ベトナムでは日本軍が米を安価で供出させたことが原因で餓死者が数十万人出た。インドネシアの博物館では「戦時中のプロパガンダ」という展示があって、スカルノ大統領が「天皇陛下、万歳」と叫ぶ映像も閲覧できる。シンガポールでは戦時中に一部の中国系の住民が日本軍によって殺害された。解説の藤原帰一教授のコメントは深みがあって、共感する部分も多かった。

これらの報道を目の当たりにして、「毎年、この季節になると広島、長崎、沖縄、空襲、特攻隊などの被害に焦点が当てられるが、加害の歴史も同じ分量で紹介されるべきではなかろうか」という考えに至った。それは自虐史観ではなく、歴史を多面的に捉え、客観的資料に基づいた事実を直視することこそ学問的思考であり態度だと思うからだ。


コメント

  1. 国際報道2025は視聴期間が過ぎてしまったので見ることが出来ないが、私も日本人が戦争中に加害者となった事実は教育すべきだと思いますよ。九州帝国大学生体解剖事件、731部隊事件などは教えるべきだと思う。あまり知られていないがフィリピンのマニラ市街で日本軍と米軍が戦闘した際にフィリピン人10万人が巻き添いになって死んだ(日本軍が殺した数と米軍が殺した数については議論があるようだ)事件についても教えるべきだと思う。但し特攻隊は被害者だとは思っていない、男として共同体のために自己犠牲となったので誇らしい行為だった(生命、身体という価値観より誇りという価値観を重視した)と個人的には思っている。

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