忘れられた結婚記念日
昨日は7月28日、24年前に結婚式を挙げた、いわゆる、結婚記念日なのだが、祝ったこともなければ、覚えてもいない記念日なのだ。今年もその例に漏れず、俺も忘れていたし、妻も息子三人の旅行の準備とお土産の郵送で大忙しだった。
時は2001年、俺と妻は妻が通っていた浦項の教会で結婚式を挙げた。日本からの参加者は両親と祖母と伯父の四人のみ、旅費を出せるほどの貯金はなく、ホテルから教会までの送迎、結婚式の後の食事の案内のことを考えると、親族以外を招待するのは現実的ではなかった。それでも、勤務先の大学から大勢の方々が参席してくれた。事前に面会していた牧師先生は急遽変更になり、代役の副牧師先生は儀式の順序を間違えるし、「ずいぶん、いい加減だなあ」と思った記憶がある。しかし、その副牧師先生とは後に個人的親交が続き、その誠実で朴訥とした人柄に信頼を寄せるようになり、「結果的に変更になってよかった」と思うようになった。4年前に他界されたが、今でも俺と妻の心には恩人として刻まれている。
妻は10年分の白粉を塗ったような厚化粧で入場して来た。化粧の担当者は「遠くからでも目鼻が引き立つようにするために必要だ」と言い、経験のない俺も「そういうものか」と思い、言葉には出さなかったが、内心では「妻の優しい眼差しが別人のように吊り上がって見えるのはけしからん。俺たちの結婚式なのに価値観を押しつけるなよ」と思っていた。結婚式の後は喫茶店を貸し切りにして同年代の参加者をもてなし、その後は教会関係者だけになり、車で山奥に連れて行かれた。そのときに体験したのが新郎を逆さ吊にして足の裏を棒で叩く韓国の伝統行事だった。今でも足が動くのはそのときの御利益かもしれない。
あの時はバラ色の未来が広がっていて、現在のような状況は想像できなかったし、妻は尚更だろう。結婚記念日の定番の言葉の一つに「これからもよろしくね」があるが、俺の口からは言い出しにくいなあ。
オレはは何故か参加できてないんだよなあ。パスポートが間に合わなかったからと思ってるけどそんなわけないよね。なんでやろ
返信削除あなたと歩んで来た道は楽しかったです。あなたとの道で美しいのを沢山見て来たし、素晴らしい人々との出会いにも恵まれました。胸一杯感謝と感謝です。
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