東京あれこれ
最近、東京について考えている。十数回行っただけで東京という大都市は語れるはずもないのだが、個人の感想と前置きした上で思うところを綴りたい。
先ず、悪い面から。
1)受験で東京の電車に乗ったとき、案内してくれた幼馴染の女性の座席の窓を外側から殴打する浮浪者まがいの男がいた。直後に電車の扉がしまって実害はなかったし、剣道部で男勝りの彼女は笑っていたが、俺は「こういうことが日常的に起こる東京はやっぱり怖いところだ。いざというときは身を呈して彼女を守らなきゃ。しかし、さっきのような大男にそんな勇気が出せるのか」とビビりまくっていた。
2)道を聞くとあからさまに嫌な顔をされる。これは国内外の他の都市では経験したことがない冷淡さだと思っていたが、その理由は東京出張を重ねると明らかになった。それは見知らぬ人に話しかけられることがやたらと多く、そのほとんどが怪しい新興宗教の勧誘だとかいかがわしい場所や行為への誘いで、ろくなものがないからだ。
3)朝8時に中央線に乗らなければならない状況だった。友人から事前情報を得ていたが、実際に体験して初めて満員電車が地獄だということがわかった。車内には香水や体臭などの様々な臭いで充満していて「一秒でも早く外に出て新鮮な空気を吸いたい」という欲求に駆られた。吊革や手すりに掴まり続けることが困難なほど車両の前後に重力がかかった。超満員電車で生き延びる術は前後の重力に逆らわず乗客全員が同じ方向に身を任せることだった。東南アジアやインドの鉄道の外壁にしがみつく乗客の映像がよく流れるが、はっきり言って日本の満員電車の方がよっぽど危険で奇異な光景だと思う。いくら高い月給をもらっても満員電車地獄がつきまとう東京のサラリーマンは可哀想だと思った。
4)都庁の展望台から眺め下ろした街並みが白いガスのようなもので覆われていた。それは30年以上前の話でディーゼル車規制がなかった時代だった。当時は鼻の穴の汚れに現れるほど空気が悪かった。プロボクサーになったKMTさんはこんなに空気の悪いところで頑張っているんですねと手紙に書いたら「明け方に走るから問題ない」と言われた。
次に良い面を述べる。
5)KMTさんを応援するために上京した。そのときの打ち上げでKMTさんの友人たちと同席になった。彼らは俳優志望でフリーターをしながら演技の勉強をしていると言っていた。やっぱり、夢や野望を持っている人々が集まる場所が東京なんだと思った。芸能、格闘技、飲食店、人材のピラミッドが東京で形成される分野は数多い。それらを当たり前のように享受できる利点は計り知れない。数学を例に挙げると、近隣に東大を始めとする一流大学が軒を並べているので、談話会や著名数学者の講演に気軽に参加できるし、そういった集まりを通して得られる数学者同士の交流で新しい刺激やアイデアを得ることもあるだろう。
総合的に見て、福岡や釜山に住むのが俺には合ってるかな。それ以前に職場を選べる立場ではないのだが。
追伸)大の里の馬力は突出している。全盛期の白鵬や照ノ富士との取り組みを見たかった。
若い時に東京に住むと色んな人と触れ合えて都会へのコンプレックスがなくなったし、同じ境遇の人が集まるからめっちゃ楽しかった。
返信削除都内の田舎に生まれるのが一番良さそう。
外国に住むとまた違う経験できるんやろうね。
I agree that Busan is a very pleasant and beautiful city to live in.
返信削除