入院顛末記
胃瘻の交換を終えて帰って来た。以前とは異なる方式の胃瘻だそうで、胃瘻チューブが短くなり、三種類のチューブが束ねられているそうだ。施術は10分で終わる簡単なものだった。以下は昨日から今日にかけての雑感を網羅したものだ。
1)「病院に行くときは救急車」が定番になった。片道10万ウォンの費用がかかるが、精神的にも肉体的にも他の方法よりはるかに楽なのだ。久しぶりに見た外の世界はストレッチャーの上で仰向けになって眺めた青空から始まった。近くの建物に視線を移すがなかなか焦点が定まらない。そうこうするうちに俺と妻と2名の隊員を乗せた救急車はとある大学病院までの旅路に向かった。妻が俺の頭を起こして釜山駅周辺の景色を見せてくれた。
2)病室は8階の6人部屋だった。窓からの眺めは壮観だったが、黄砂の影響でやや黄色がかっていた。6人部屋だが、入院患者は俺を含めて二人だけだった。しばらくすると、看護師がやって来て一人部屋に移るように言われた。それを聞いた妻は「吸引の音がうるさいからクレームが来たんだわ」と落ち込んでいた。一人部屋はテレビもあるし、騒音を気にする必要はないので快適だった。もし俺が自由に話せたら「人を疑うなんて君らしくないな。結果として双方の利益になったのだから良しとしようよ」と励ましたはずだ。
3)施術前に血圧、尿、レントゲンの検査があって、俺の右腕は点滴に左腕はバイタルモニターに繋がれた、そのたびごとに担当者が来て妻と会話を交わして去っていった。俺は「こんなに大掛かりになるのか?外来でもできると言ってたのに話が違うなあ」と思う一方で、「これは秦の始皇帝でも受けられない待遇だぞ。皇帝の言葉は専門の女官を介して臣下に伝えられるそうだが、正に今の状況に酷似しているではないか」とも思った。
4)施術は内視鏡を使うと聞いていたので、口の中に内視鏡を突っ込まれると思い恐れおののいていた。しかし、実際の施術は局部麻酔後に以前の胃瘻チューブを引っこ抜き、新しい胃瘻チューブを挿入すると言う呆気ないものだった。手術室を妻が待っていて、今にも泣きそうな表情だった。「施術が簡単だった」と言えない雰囲気がそこにあった。
5)施術後は暇だった。しかし、20時からサッカーワールドカップ最終予選の韓国対ヨルダンが放送されるという情報が次男から入った。その試合を観戦した。ちなみに妻はスポーツ観戦に全く興味がない。試合は開始5分で韓国が先制する。「これはオーデヨン(韓国語で5対0)が見れるかなと思っていたら前半にヨルダンが同点ゴールを奪い、韓国は圧倒的に攻め続けるものの試合はそのまま終了した。主将で実績も歴代ナンバーワンのソンフンミンが誰よりも献身的に走り回っている姿が印象的だった。
6)帰りももちろん救急車だ。やっぱり自宅の居心地は最高だな。
後日談)妻から「今日のブログの内容は事実と異なる」というクレームが来たので、訂正する。ブログでは6人部屋と書いたが、正しくは4人部屋だそうだ。それから、ブログでは「妻が憶測で同室だった患者を疑っている」ように描かれているが、実際は「同室の患者から不平が来ている」と看護師が妻に伝えたそうだ。最後に、ブログでは「看護師が一人部屋を勧めた」ように描かれているが、実際に勧められたのは他の4人部屋で、妻の判断で一人部屋に移ることにしたそうだ。ちなみに一人部屋の費用は一泊30万ウォンだそうだ。そうとは知らず勝手に喜んでいたことを反省している。
I am so glad that your surgical procedure went well! 🙂
返信削除手術が成功したみたいで何よりです
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