まんぷくの感想
2018年にNHKで放送された朝ドラマ「まんぷく」をNetflix で視聴している。現在、54話目で、社員全員が進駐軍に逮捕されたところだ。妻は「どうしてそんなつまらないドラマを見るの?」と言うが、俺は「朝ドラマ史上でも上位に入る傑作だ」と思っている。以下はその感想だ。 1)主人公の福子を演じる安藤サクラは平安時代だったら絶世の美女だったであろう顔立ちで、その母を演じる松坂慶子、その姉たちを演じる内田有紀と松下奈緒、その同僚の橋本マナミ、というお目目ぱっちりの現代風の美女に囲まれる。それが演出の妙なのかもしれないが、最初は不細工に見えた福子が回が進むたびに健気に映り応援したくなり、実に魅力的に見えるようになった。福子は最初は周囲に流されるおっとりした女性として描かれるが、戦争、夫となる萬平の逮捕、結婚、萬平の創業、出産を通して、職人気質で経営には向いていない萬平を陰陽向に支える存在として成長する姿が描かれる。このドラマはインスタントラーメンを発明した安藤百福の人生をモチーフとして構成されているが、原作と脚本は史実に拘泥することはないオリジナルと言っても良い構成となっている。それは往々にして「史実の面白さを伝えきれてない」とか「脚本がモデルとなる人物を台無しにしている」と批判されるものだが、本作は脚本の不自然さや強引なご都合主義やキャラ変はほとんどなかった。 2)「ちゅさらさん」の城之内真理亜のように夢見がちな主人公に現実を突きつける役割は視聴者を代弁して溜飲を下げさせる役割を担う。本作では松坂慶子がその役割を果たすだけでなく、コミカルな演技で際立った存在感を発している。俺はすっかりファンになってしまった。 3)立花塩業に集まった社員は十数名、彼らの集団心理と不満がよく描かれている。「十数人が1部屋で寝て、炎天下で重労働、食事も質素、こんな待遇でよく働くなあ」と思いつつも、次第に社員の個性が見え始め、愛着を抱くようになった。進駐軍に逮捕された後の続きが気になって仕方ない。 4)小役時代の岸井ゆきの、若かりし頃の要潤と大谷亮平と毎熊克哉が見られる。そんなことを言い出したら、出演者全員か。